Vol.4 『「新規事業」はどうすれば育つのか(吉井 信隆著)』
著者はリクルート出身。1995年にインキュベーション事業・経営層の人材紹介
事業会社をスタートさせた方。
この本は企業に属していながら社内の資源を活用して起業を志す人にとって
の基礎的な考え方と姿勢が身につく本です。
私はTriViewで活動していますが、企業に属している身です。ここにきてから
起業にはとても関心は高まっているものの、日々の仕事の中で独立・起業と
内容には触れることはありません。今は「起業マインド」「新しい価値を生み
出す」ことに焦点を当ててTriViewに参加しています。
私が事業プランを考えるとき、、、
・自分の強みと弱み
・趣味と価値観
・特技や資格 を考えますが、
大きな影響を持ってくるのは、、、
今まで、自分の会社で(14年で)身についてきた発想・思考、行動、仕事の
スケール感また、長年接してきた社内のリソース(ナレッジ、インフラ)などを
出発点に考えたりします。
(悪い意味では業界や自社の既存の枠組みの中で考えてしまいがちです
が)。
いずれにしても、所属してる組織で学んだことを良い方向に伸ばしていつか
は起業してみたいとまずは考えます。
そんな状況の中で、この本は私の目線に近いところから「起業とは何か?」
を考えさせられる非常に勉強になる本でした。
企業内起業とは(文中より抜粋)、以下の定義。
「母体となる企業の経営資源を活用しながら、別会社として新規事業を
立ち上げることである。別会社といっても、本体から完全に離れるわけ
ではない。100%子会社でもない。理想的には外部に1/3以上の資
本を持ってもらい、拒否権は確保しながら、自立法人として成長して
ゆくのだ。」
個人(本人)の発想+自社の資源+他社(または者)で生まれ、成り立ち、
結果自社と本人が事業を通じて成長できる枠組みだと思います。また、新規
のフィールドに挑戦しながらも(100%子会社ではないので)人・モノ・カネが
複数の企業から集まり、おのおのが自社の優位性とDNAを持ち寄りながら、
自社から自律しつつ成長してゆける非常に魅力的な枠組みだと思いました。
この本は、企業内起業に関するガイドであり、テーマ設定からビジネスの
仕組みの設計、計画~実行までの全プロセスをガイドしてくれ、かつ一番
大切な「心構え」「熱意」無くしては成り立たない、という警告が各所に
ちりばめられています。「事業や会社は人が動かすもの」という
インキュベーターかつ人材を扱う著者のゆるぎない姿勢が伝わってきます。
企業にとってイノベーションが求められる時代、個として新しいフィールドに
チャレンジしてみたい人には是非触れてもらいたいと思います。
〔目次〕
はじめに
第Ⅰ部 「企業内起業」のすすめ
第一章 新規事業が失敗し続ける理由
第二章 その事業テーマはぶれていないか?
第三章 事業を孵化させる仕組みをつくる
第二部 事業コンセプトの策定
STEP1 事業コンセプトの策定
STEP2 事業計画の策定
STEP3 スタートアップ
おわりに
(by shirai)