Vol.2 『発想法(川喜田二郎著)』
お勧め本第2回目は、前回に比べ大幅にトーンを変えて、「KJ法」についての
書籍をご紹介します。
初版は1967年。私が買った本はなんと81版(!※2006年現在)になります。
- 発想法―創造性開発のために/川喜田 二郎
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- 続・発想法 中公新書 (210)/川喜田 二郎
- ¥861
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続編もあります
KJ法とは具体的なアイデアの発想というより、
直面するテーマに横たわる原因・課題・の本質的な究明、
それを解決するためのシンプルかつ骨太な解決策を導き出すという、
一連の流れに活用可能な思考のOSのようなものだと捉えています。
遠い・近いの差はあれども、創造性を持って仕事をされている方が
自然に使っている思考プロセスなのではないでしょうか。
(「K」「J」は著者のイニシャルを取って命名したとのこと。)
最近アイデア発想本が書店に沢山ありますよね。
インプット、アウトプットでいうと、結構アウトプットが多き時代、アイデアに枯渇している、、、
という声が多いのかも知れません。
このTriViewを支えてくださる、
(株)アクティブラーニング( http://als.co.jp/index.html )の羽根さんも
おっしゃっていますが、新しいアイデアは白紙から新しいものを生み出すのではなく
「既知×既知の組み合わせから」がメインストリーム、、、とのこと。
「発想」とは個々の素材の組み合わせ、編集の妙なのかもしれませんね。
ひところ、ロジカルシンキングがもてはやされ、書店にもビジネスコンサルの方が
出す本が売れていましたが、今はその反動か、右脳思考、直感、インスピレーション
を肯定・推進する本が沢山出てきたように思います。
大前研一さんのような方も右脳系の「閃き」を推奨しているように思います。
右脳思考、、、はただの「勘」や「閃き」ではなくて、その人の深く広い情報の空間が
つながってまさに「既知と既知のつながった瞬間、統合・編集された瞬間」なのでは
ないでしょうか?
そんな思考のプロセスを体系化・論理化して確立させたものがKJ法のような気がします。
加えて、今日の「ワークショップ」がブームになっていることからもKJ法のニーズが
ますます高まる気がしています。課題を抽出したり、アイデアを探したり、、、このような
コラボレーション型で創造性のもとに何かを生み出すようなときにKJ法を知っていると
とても役に立つことが多いと思います。ワークショップって結構KJ法的プロセス
多いですよ。
で、何より大事なのが日々の情報のインプットだと思っています。
それがなければ、つながる素材が少ない、、、ということになってしまいますよね。
その一定量はやはり必要かと、強く思うのであります。
だからこそ、良書に(効率的に)出会うための情報源確保と
日ごろの感性を磨かねば、、、と考えます。
いずれも、良い人と出会うことが何より大事なようです。
以上、第2回でした。(ちょっと、硬いかも、、、。;by shirai)
〔目次〕
Ⅰ 野外科学-現場の科学
Ⅱ 野外科学の方法と条件
Ⅲ 発想をうながすKJ法
Ⅳ 創造体験と自己変革
Ⅴ KJ法の応用とその効果
Ⅵ むすび