デヴィッド・クローネンバーグ監督、ヴィゴ・モーテンセン、ナオミ・ワッツ出演。2007年の映画です。

ヴィゴ・モーテンセンは、クローネンバーグの前作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」でも主演でした。そして、その時の相手役はマリア・ベロ。今回の相手役ナオミ・ワッツもそうですが、どこか東洋的な雰囲気を感じる女優です。

 

物語は、助産師のアンナ(ナオミ・ワッツ)が行き倒れた妊婦の子どもを取り上げるところから始まります。母親は出産後に死亡。アンナはその女性の残したロシア語で書かれた日記帳を家に持ち帰り、同居している伯父に見せます。伯父と母はロシア人です。

一方アンナは女性の残した名刺から、あるロシア料理のレストランにたどり着きます。そこの店主に女性を知らないかと尋ねますが、知らないと言います。

伯父はその日記から犯罪の事実を知り、アンナに「これ以上立ち入るな」と忠告します。

実はレストランの主人はロシアンマフィアの一員らしいのです。それでもアンナは女性とレストランの関係を追求していきます。その過程で、その組織の運転手であるニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)と知り合うことになるのですが…

その後はレストラン店主の息子や、他の対抗組織との諍いなどに巻き込まれる二人、という状況になります。

実はその赤ちゃんは… とか、実はニコライは… とか、いろいろネタバレしないであらすじを書くのは無理なので、これぐらいにしておきます。

 

アンナの赤ちゃんに対する思い(自分は未婚)や、ニコライの「鉄の意志」が表現されるラストでは「どうにかならないものかな…」と思ってしまいます。二人と赤ちゃんが、違った環境で幸せに暮らせる道はないものかと。

罠に墜ちたニコライが、サウナで襲われるシーン。全裸なんですが、実際に投げられたりして、タイルだしとても痛そうです。小さな半月形のナイフで襲われて、反撃しても相手は靴も履いてます。自分は裸に傷だらけ。本当に痛そうで…

ナオミ・ワッツはちょっとした眉や唇の端などの動きで喜怒哀楽を表現していて、つい感情移入してしまいます。特に赤ちゃんを護るという気持ちに対して。

ヴィゴ・モーテンセン、ちょっとクセのある顔立ちですが、どうぞよろしくお願いいたします。推しです。