この数日来、あまりの情けなさに、気分がデューク東郷的に醒めていましたので、録画していたのを観ました。

伊吹吾郎は暑苦しいのですが、エドワード・フォックスはクールですねえ。

原作者フレデリック・フォーサイスは、元MI6のエージェントということもあり、他にも「オデッサファイル」や「戦争の犬たち」などの映画化された傑作を書いています。

監督のフレッド・ジンネマンは、「真昼の決闘」でアンチヒーロー的主人公を描いて、西部劇のイメージを変えたと言われています。

 

映画は、最初にOASというフランスの反政府地下組織の存在を無機的なナレーションで説明し、その後もドキュメンタリー的な演出でBGMも無く早いカットの切り替えで緊迫感を維持し続けます。この組織の標的はド・ゴールで大統領であるのは明らかで、それまでは組織内からの密告などで暗殺計画はすべて失敗していました。

業を煮やした組織の幹部たちは、プロの暗殺者を雇うことにしました。その第一候補がジャッカルでした。面談してみると、ジャッカルは引き受けてくれるとはいうものの、法外な報酬を要求し、幹部たちは部下に銀行強盗や宝石店襲撃などを命じ、最終的にジャッカルはド・ゴール暗殺を引受けました。

その資金を得て、ジャッカルは綿密な準備に取り掛かります。

ある場所に出向き、アパートに侵入して何かを確認する(重要な伏線です)。パスポートや身分証明書の偽造、狙撃銃の作製依頼なども。

特に、特注狙撃銃で照準合わせをするあのシーン。普通の弾で何度か照準器を調整し、最後に特注の銃弾が命中してスイカが爆発的に飛び散るシーンは背筋が凍ります。

 

パリの警察はOASの監視と盗聴、メンバーの拉致と尋問(拷問)から、雇われ暗殺者の存在を知り、その呼び名”ジャッカル”を頼りに必死の捜索を続けます。逮捕できるのか?というところまで足取りをたどれるのですが、間一髪逃してしまうことも。

そして、さらに緊迫感は高まり、いよいよ決行まであと数日という時に…

 

実際にはド・ゴールは撃たれていませんので、映画の結末はわかるのですが、それでも短くない映画ですが最後まで一気に観てしまいました。無表情でクールに…というここ数日の気分は少し治まりました。

 

追伸:ごめんなさい。実写版の「ゴルゴ13」は、あの高倉健さんでした。昔は伊吹吾郎さんがぴったりだと思い込んでいたので、勘違いのまま「暑苦しい」とか、申し訳ありませんでした。冷汗