TRIPSのブログ

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「留学とは出会いである」

そんな名言を残した偉人がいるかどうかはさておき、留学を通してどんな人と出会えるのか、これから旅立っていくみなさんは大いに気になっていることでしょう。僕も留学前は、1年生じゃないけど(むしろ4年生だったけど)友達100人作ってやると意気込んだものです。



今日はそんな僕がシアトルのワシントン大学で出会った、ひとりのパツキン美女のお話。


留学して最初の学期に、僕は言語学の授業を履修していた。アメリカの大学ではよくある少人数でディスカッションに重きを置いた授業だ。この授業の評価はグループでのプレゼンテーションとレポートで決まるということもあり、僕は頭の良い(かつ優しくてあんまりオラオラ系じゃない)人と一緒のグループになることを願っていた。

しかしアメリカはそんなに甘くない。

まず4人グループのうち僕を含め3人は早稲田生になった。
お気付きの方もいるだろうが、この時点で語学的ハンデが半端じゃない。
頼みの綱は唯一の現地学生にして紅一点。


そう、それが僕たちと彼女の出会いだった。

彼女の名はメーガン。
メーガン・レイジ。

後に僕たちは彼女のことを「女帝」と呼ぶようになるのだが、
この時点ではまだそんなこと知る由もない。



「アメリカでイケイケなパツキン美女と出会いたい!!」
なんて夢を描いている男性もいるだろう。メーガンはそんな男たちの妄想に登場するだろうアメリカ人のイメージにぴったりだった。お前ビバリーヒルズ青春白書から飛び出してきただろ!みたいな。(最近はセックス・アンド・ザ・シティか?)

見た目に違わずメーガンはオラオラ系だった。オラオラオラ系だった。早稲田から淡い希望を持って飛び出してきた子羊たちの拙い英語は彼女に通じず、友人たちのライフポイントが話すたびに減っていくのがわかった。

奔放な彼女に振り回され、なかなか課題は進まない。
そこで僕たち3人は一致団結し、グループリーダーに立ち向かった。
今となっては何のために戦っていたのかよくわからない。

ひたすら3人でリサーチを重ね、アイディアを出し合い、課題を進めた。


その間に、メーガンは、ブラジル人と、婚約(!)していた。


なんということだろう。アメリカでは晩婚化問題とかないのか。
そしてそれを僕たちが知るのはプレゼン当日の朝である。


前日に「これだけは準備してきてほしい」という内容を彼女に伝えていた僕たちは、授業の前に最後の打ち合わせをすることになっていた。日差しが溶ける、心地の良い朝だった。しかしアメリカでは悲劇はいつも突然やってくる。


それはちょうど、
「モーユウキ、コレタイヘンダッタワ!ワタシゼンゼンネレナカッタ!ネタノ、ニジヨ!」

みたいな文句を女帝に言われているときで、

2時かよ!十分すぎるほど寝とるわ!
なんてツッコミを英語で言えるわけもなく噛み締めていると、
なぜか急に見知らぬラテン系の男が登場し、挨拶された。


3人とも(・_・)って顔をしていると、女帝の婚約者であることを告げられた。


そう、麗らかな朝日を背に受けて、そこには皇帝が君臨していた。


「なぜプレゼンを目の前に控えたこのタイミングで婚約者の紹介を・・・」

誰もがそう思った。周りの喧騒が遠い。

しかしそんな状況でも挨拶されたらこっちだって挨拶しなきゃいけないし、これだけナイスじゃないナイストゥーミーチューがあるだろうか・・・なんて腑に落ちずにいたらいつの間にかプレゼンの時間になり、結局英語力にものを言わせた女帝がしゃしゃりまくって、

僕たちのグループは最高評価を得た。


終わってみるとなんだかんだいい思い出になったな~なんて気持ちで最後に女帝にお礼のメールを入れたけど、お気付きの方もいるだろうがまぁ華麗にスルーされたよね。そして最初の学期は終わった。


しかし、話はこれで終わらない。

女帝とは後日談があって、あの3.11の大震災を受けてシアトルの日本人が軽いパニックに陥っていたとき、アメリカ人の友達の中で最初に家族の安否を気遣うメールをくれたのは女帝だった。その文章はちょっと涙が出そうになるくらい感動的で、まるで民を思う本物の女帝のようだった。



みなさんもこれから留学してたくさんの人と出会うわけだけれど、例えどんなに奔放で突然ブラジル人のフィアンセを連れてきて履歴書を緑の色ペンで書き出す人がいたとしても、どうか一面だけでその人を判断しないでほしい。偏見は理解を妨げるし、トンデモアメリカ人だと思っていた女帝は、なんてことはない根はとても優しい女の子だった。


世界は大きくて、それに比べたら自分のこれまでの経験はあまりにも小さい。その小さな経験の中からしか物事を見られないと、絶対に気付けないことがたくさんある。結局国籍や見た目に対するイメージなんてただのイメージでしかなくて、本質的に相手を理解するためにはそんなもの何の役にも立たない。

僕が女帝と出会って感じたのは、そういうことだ。



だからこれは声を大にして言いたい。


これから旅立っていくみなさん。
イメージや偏見は全部捨てて、空っぽの心でいろんなものを見て、
そして世界に感動してきてください。


苦しいことや辛いこともあるだろうけれど、
みなさんの留学が素晴らしいものになりますように。





P.S. そのさらに後に女帝は実は4コ下だったということが発覚するのだけど、それはまた別のお話。