台湾の登山を徹底解説。台北近辺の象山から台湾の最高峰である玉山まで、初心者・中級者・上級者向けコースを詳細に説明。行き方、おすすめの時期も詳しく案内。
台湾登山の基本情報
台湾は山岳地帯が豊富な国ですが、この登山の魅力は日本ではまだそれほど認知されていないようです。
一方、欧米からの旅行者の間では、台湾の変化に富んだ山の景観が非常に評価されています。
海沿いの山から都市近郊の山まで、さまざまな高さの山が点在し、アクセスが良好で、専門的な登山用具がなくても手軽に楽しめることが支持されている理由です。
特に台北周辺には、容易に登ることができる山が多数存在し、地元のビジネスパーソンが昼食時間に登山できるほど近接しています。
MRT(地下鉄)を利用すれば山へ簡単に行けるため、日本から訪れる観光客も台湾特有の山歩きを容易に体験することができるでしょう。
玉山など台湾の特定の山には入山許可が必要となります。山の難度が高くなるほど申請プロセスは煩雑になり、より早期の手続きが必要になります。
台湾の山岳地域は豊富な森林に囲まれ、高い標高のため都市部との温度差が著しく、霧や強風が頻繁に発生します。そのため、夏場であっても寒さ対策が必要不可欠です。
さらに、多くの地域では携帯電話の通信が不安定なため、必ず指定されたルートから外れないよう注意してください。登山開始地点と下山地点が別の場所にあるコースも存在するため、事前にルートを十分確認することをお勧めします。
台湾登山の初級コース:象山
台北の有名な観光地である台北101や新光三越A13内の鼎泰豐(ディンタイフォン)からほど近い象山は、象の頭部に似た形状からその名が付けられました。
高さはたった183メートルですが、台北盆地全体と台北のシンボルである101ビルを見渡せる絶景スポットとして有名です。
全体のハイキング時間は約1時間40分となっています。
都市部に位置する台湾を代表する山歩きスポットとして、四季を通して楽しむことができるルートです。
ただし、往復できる登山道があるため、案内表示に従わないと、入った場所とは違う出口に到着してしまうことがあります。
特に永春崗公園登山口はMRT最寄り駅から距離があるのでご注意ください。また、階段が多いため、お年寄りの方には少し大変かもしれません。
象山への行き方
MRT淡水信義線「象山駅」で下車。信義路五段150巷をまっすぐ進み、22弄にある霊雲宮の横に「象山歩道」と表示されている場所が登山の入口です。
台湾登山の中級コース:七星山
台北市の最高峰(標高1,120メートル)である七星山は、陽明山国家公園内に位置する人気の登山地です。
台北市中心部から比較的簡単にアクセスできるため、台湾を初訪問の方や再訪の方にも適した山となっています。
登山ルート上には、小油坑(シャオヨウカン)、夢幻湖(ムーホアンフー)、冷水坑(レンシュイカン)などの見所が多数あります。
山頂からは360度の壮大な眺望が楽しめ、台北の街並みから北海岸まで見渡すことができます。
コース全体は約4キロメートルで、所要時間は約2時間30分です。標高が552~1,120メートルと大きく変化し、気温の差も顕著なため、寒さ対策と水分補給が重要です。
視界不良になりやすい冬と春は避け、夏季か秋季の登山が推奨されます。
七星山への行き方
- 台北駅からの場合:皇家客運(台北-金山線)または260路線バスで「陽明山バスターミナル」へ行き、そこから108番遊園バスに乗り換え「小油坑」で降車。
- 剣潭駅または士林からの場合:紅5(MRT剣潭駅-陽明山線)または260路線バスで「陽明山バスターミナル」まで行き、そこから108番遊園バスに乗り換え「小油坑」で下車。
公共交通機関での移動は複数回の乗り換えが必要なため、体力を節約したい方はチャーターハイヤーを事前に予約されることをお勧めします。
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関連記事:陽明山を徹底解説:アクセス方法から人気スポットまで全て分かる完全ガイド
台湾登山の上級コース:玉山
台湾の象徴的な山である玉山は、日本の富士山に匹敵する存在です。標高3,952メートルで東北アジア最高峰であり、台湾の人々の間では「人生で必ず成し遂げるべき3大目標」の一つとされています。
玉山はブヌン族とツォウ族にとって神聖な山でもあります。
日本統治時代、台湾総督府が玉山の高さが富士山(3,776メートル)を上回ることを確認した後、1897年に明治天皇により「新高山」と命名され、山頂には「新高祠」という神社が設置されました。
神社自体は現在は取り除かれていますが、玉山主峰の頂上には石碑が残っており、今日も多くの日本人登山者が訪れます。
往復ルートは片道10.9キロメートルで、標高が2,610~3,952メートル(高低差1,342メートル)と大きく変化し、難度の高いコースです。
また、土石の山道、木造の橋、岩石の斜面など多様な地形が続くため、専門的な登山装備が必要となります。
季節としては冬を避けることをお勧めします。玉山国家公園内に位置するため、入山と入園の両方の事前許可申請が必要です。
また、本格的な山岳であるため、専門登山ツアーへの参加をお勧めします。
個人で登られる場合は、十分な安全対策が必須です。
玉山への行き方
嘉義から:嘉義市から県営バスで阿里山へ→タクシーで塔塔加遊憩区へ、または阿里山森林遊楽区から員林客運6739(日月潭-阿里山線)で塔塔加遊憩区「上東埔」下車→排雲登山サービスセンターで入園確認後、有料シャトルバスか徒歩で塔塔加鞍部登山口へ
南投から:員林客運6739(日月潭-阿里山線)で塔塔加遊憩区「上東埔」下車→排雲登山サービスセンターで入園確認後、有料シャトルバスか徒歩で塔塔加鞍部登山口へ
上記のアクセス方法は乗り換えが複雑です。
専門装備を持ち、経験豊富な登山者が個人で玉山に挑む場合、Tripoolのチャーターハイヤーサービスを利用すれば、台北駅から玉山登山口まで片道約6,500台湾ドルで、
乗り換えの手間なく、荷物も車内に置いたまま体力を温存できます。往復予約で5%割引も適用されます。
台湾での登山には、Tripoolのサービスをぜひご利用ください。
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ここまで、初級者・中級者・上級者それぞれに適した3つの山をご紹介いたしました。
台北近郊にある容易なコースの劍潭山や、素晴らしい景観が楽しめる阿里山の眠月線コースも、ぜひ訪れていただきたい登山スポットです。
これらの場所に加えて、台湾での登山に最適な時期について詳細を知りたい方は、ぜひ以下の記事をご参照ください。
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