映像作家Mの備忘録

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$映像作家Mの備忘録

人間ほど面白いものはない!
人間の不思議さ、美しさ、神秘さを表現するために、演劇をやり続けてきたんです、と語る、
笈田ヨシさん。

1968年に、演出家のピーター・ブルックのもとで演劇を学ぶため渡仏、
以降45年にわたり、世界中で活躍し続けている、演劇界の宝的存在。

この3日ほど前に80歳になられたとは思えない若々しさ。
本当にチャーミングで生き生きしている。

笈田ヨシさんにとって、演劇とは、日常生活では押し殺し、閉じこめてしまっている、
人間一人ひとりが、心の中に持っているはずの何かを開かせ、光を当てる作業。

目に見えるものを通して、目に見えない何かを表現するのが演劇だと語る。

教育や文化的に洗脳されて、身についてしまった思想や常識を脱ぎ去って、
出来るだけ、生まれた時の、裸の自分に戻ること。
素の自分のピュアなまなざしで、物事の本質を見れるようになること、
そうなってはじめて、人の心に触れる芝居が出来るようになる、という。

そうやって心を開き、どんどんシンプルにそぎ落としていくと、
最後には、人間にとって本質的に大切な何かに行きつく。
それは、文化や言葉の違いを超えて、世界中の人に共感してもらえるものだ、という。


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一見平和で物質的に恵まれ過ぎた、今の日本では、
何のために演劇をやるのか?なぜ、演劇をするのか?その目的を見つけることが難しい。
芝居をしても、「あぁ、面白かったよ」で終わってしまい、ただの見世物になってしまう。
演劇をする人間と見ている人との間に、共有できる大切な何かが生まれにくい。

でも幸か不幸か、震災が起きて、今の日本は生きること、人にとって大切なことは何か、
ちゃんと見つめ直さないといけない、大事な機会をもらったのではないか?

50年近く、演劇を通して世界中で人間を見つめてきた人ならではの、説得力ある言葉だった。

生き方次第で、人間、80歳になってもこんなに美しくいられるのですね…
その秘訣は、一ところにとどまらず、水が流れるように変化し、動き続けているからなのか…
とにかく、ものすごく勇気とエネルギーをいただきました。

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8月1日から10日まで、世田谷パブリックシアターで行われる、
サイモン・マクバーニー演出、谷崎潤一郎原作の舞台「春琴」に出演される。
笈田さんの芝居を見られる貴重なチャンス、ぜひとも、この目で確かめたい。