9月10日、56日目。近藤ヵ淵〜知床岬
番屋の屋根に何かいる!
3人ともその音で飛び起きた。
サル!?
シカ!?
まさかクマ!?
だが番屋に泊まっていたため今一番怖いのは漁師だと、窓からそーっと外の様子を確認するが人間の気配は感じない。
屋根を駆け回っている見えない生物に3人の脳裏に恐怖がよぎった瞬間!
「アァーアァー」
カラスかよ!
朝から脅かすんじゃないよ!
やはりみんな気を張り詰めているためカラスの足音にも敏感に反応してしまうのだろう。
野生化してると言った方が良いのかも。
朝ラーメンを食べ、軽量化のため余計な荷物を外に置いてあったゴミ箱に隠す。
多少軽くなったバックパックを背負い込んだら
いざ知床岬へ!!
山の斜面にはまだ食事中のシカの群れが僕らの出発を見送ってくれている。
高巻きを2つほどクリアした場所で2回目の休憩を取るが、どーもKのペースが遅い。
どうした?と問い詰めると靴擦れを起こしていた。。。
それも3カ所・・・
悪化する前に報告しない事に、ちょっとイラッときたがここまで来たからにはもう頑張ってもらうしかない。
この先にも2カ所高巻きが待ち構えている。
念仏岩の高巻きはつるつるでザイル無しでは登るのは困難。
さらに7~8mの岩壁も下りなくてはならないので、高巻きとしてはアタック中最大の難所だと感じた。
念仏岩をクリアし、岬まではあと半分だ。
続けてカブト岩の高巻きを越えていくが、TOPからの眺めが良く、気持ちの良い風が吹き抜けていたのでしばし休憩をする。
今日出発した近藤ヶ淵からいくつも超えてきた入り江が見え、1歩ずつでもゆっくりと確実に進んでいることを実感し、この高巻きを越えれば一気に岬に近づくと思うと気持ちが高ぶる。
ここまで歩いて5時間弱かかった。
あと少しや!
海を渡り
まずいウニを食べ
よだれを垂らしながら
川を渡り
何者だ!?
とキツネに警戒されながら最後の番屋がある赤岩へ。
赤岩で犬のお供が出来た!
一定の距離を保ちながら、僕らの前をトコトコ歩いていく。
たまに立ち止まり、僕ららがちゃんと付いてきてるのか確認をする所が愛らしいが、道案内をするほど複雑な道でもない。
暇つぶしか、好奇心か、案内すればおこぼれが貰えるとでも思っているのか・・・
まったくインド人みたいな奴だな・・・
でも僕らにとっても犬が近くにいるだけで心強いし、付いてきてくれるならそれはそれでありがたい。
「みさき」と命名し供に岬を目指す。
そしてついに!!!
14時48分知床岬到達!!!
イエィ!!
相当な疲労があったが、それ以上の達成感に涙もろくなったボクの目から
涙の一つぐらい出るかと思われたが鼻水しか出なかった。
それにしても、クマスプレーも、食料を保管するフードコンテナも地図さえも持たずに
岬まで来られたのは、Mちゃんのおかげだし、2人では絶対に無理だっただろう。。。
Mちゃんありがとう。
クマにも会っちゃったし、この旅で3人の距離もぐっと近づき、最高の仲間と
最高の知床アタックができた!
みんなありがとう!!
みさきもSoftBankのお父さんにドンドン似て来たぞ!!!
エキノコックスだけは注意が必要だ!!!
ありがとう!
6斤あるパンを3斤食べ、あとは明日の朝に残しスニッカーズで腹を満たす。
途中まで戻ろうかと思っていたが、陽も傾きかけていたので先端でテンとを張ることにした。
夕日が綺麗だ
みさきは帰るかと思ったら帰る気配無し!
むしろくつろいでいる。
みさきがテントの中に入ってきたので頑なに拒んだら、その体は小刻みに震えていた。。。
「おまえ・・・」
テントの全室をみさきの寝床にしたら、気に入ってくれたようだ!
北に向いてる岬だから、朝陽も見えるだろうか?
そんな期待を胸に、18時15分就寝。
最後まで読んでいただきどーもです。
旅ブログの続き、書こう書こうと思い続けて早8ヶ月。。。
冬のバイトで忙しく(言い訳)
寒さで手がかじかんで(うそ)
書こうにも書けず今日に至ります。。。
知床岬アタックの後も、楽しい事、いい出会い、人の優しさ、自然の厳しさ
いっぱい経験して、書きたい事もいっぱいあるけど(まとめちまったー!)
その思い出を胸いっぱいに詰め込んで
入らない分はバックに詰め込んで
また今日からチャリだーになります。
いざ西へ!!!!
Don't think!!!!! Just do it!!!!!