9月8日、54日目。知床岬アタック出発!
夜中、泊まっているライハのトタンが飛んで行ってしまうんじゃないかと感じるほど、外は大荒れ。
小屋の隣の木が枝を屋根にぶつけて来るが、まるで野猿が飛び回ってるようで、たまにビクッとして周りを見渡してしまうほど。
おかげで安眠できず、雲行きもアタック出発も怪しかったが、6時半頃晴れ間が見えて来たので出発する事に。
朝、人の気配がしたと思ったら近くの漁師のおっちゃんがいた。
主人のおばちゃんは、母親の具合が思わしくないと釧路に行って三年は帰ってこないとの事。
その間、管理者はこのおっちゃん。
『何日でも泊まって行けな!』
と言われたが、水も電気も無い宿に500円は…
ライハから道が切れる相泊まで20km弱自転車を漕ぎ、いよいよ出発!
昆布番屋を何軒も過ぎ、北の国からの撮影に使われた
『純の番屋』
をバックに三人でスタートの記念撮影を撮り、改めてスタートをきる。
番屋が無くなるとゴロゴロと石が転がる海岸線をひたすら歩いてゆく。
歩きずらい海岸を進み、まず観音崎の高巻き(海側は通れないので、山側に登り遠回りして乗り越える)をこえる。
滑りやすいが、慎重に行きクリア。
そして岩場を越え
次の難関はトッカリ瀬のへつり(高巻きも出来ない場所を水際の岩場を横へ横へ移動して行く)
滑りやすい。
ゆっくり足場を確かめながら、つかむ場所も確かめながら。
落ちたらケガは確実。
そして、今日最大の難所はトッカリ瀬の渡歩(海の中の飛び石を渡る)
干潮時しか通れない場所で、12時までに通過しなくてはならない場所だったが、今日出発したのも遅く、既に12時。
昨日の豪雨でいつもより水量は多く、途中までへつりをし見に行ったが、渡れそうにない。
波もみるみる満ちて来て危険すぎる。
この波にのまれたら、命の保証も。。。
食料や、体力を考えれば進みたい所だが、今日はトッカリ瀬渡歩手前でキャンプを張る事にした。
入り江に吹き込む海からの潮混じりの強風で、テントが何回も飛ばされそうになり、俺のテントの骨は曲った。
Mちゃんは1人用テントで、俺は2人用なのでKと寝る。
周りは絶壁なので、熊は降りては来ないと思うが、ここは熊の家の中だと言う事。
テントから出る時は、笛を鳴らし、食事はテントから離れ済ませるが、初日で疲れたのか、Kが体の不調を訴え食事も食べられない状態。
そして嘔吐。
昨日食べたイカ刺しか、海岸に上がった昆布んかじったせいか?
どっちにしろ、嘔吐はマズイ。
明日からの行動に支障がでるか、アタック自体の断念も?と色々考えたがとりあえず、水飲ませ休ませた。
Kがんばれ!!!
さすがにいる場所が熊生息地のど真ん中と言う事もあり、風でテントがなびく音、隣のKが動く音、外の草木が風で舞う音、全てが獣の足音にさえ聞こえてくる。
異常に敏感になっている自分がいた。
夜は寝れないと思ったが、疲れには勝てない…
何時の間にか熟睡。
明日は4時30分起床予定。
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