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自分が高校生の頃デビューしてとにかく欲しくても手が出なかったCDプレーヤーでしたが、
ある時中古でビックリするほどの値段で出ていて迷う事無く、また視聴もせずに買いました。
実は今使っているアンプKENWOOD L-A1もそうですが出た時に欲しいと思ったのに自分が行く
店では展示、視聴はされていなくてはじめて実物を見たのが中古で手に入れたこの個体のみと言う
自分にとっては非常にお目にかかれない製品の部類に入っています。(当然L-A1も中古購入です)
購入後も中古でL-A1&L-D1が置いてあるところを見たことがなく本当に瞬間の縁で買えた製品です。

L-D1を買った時にはアンプは既にL-A1になっていたのでこの時からL-A1とL-D1の純正コンビで
JBL 4312を鳴らす状態になりました。

この製品は1992年にデビューして
ドライブメカはLDプレーヤーのモーターで回すフルサイズのターンテーブルの上に
信号面を上向きに置き、専用のスタビライザーでディスクを固定して
その上を異常に巨大なピックアップユニットを持ってきてそのユニット全体が少しずつ
移動しながら信号を読んでいく非常に大掛かりなもので、
DACはフィリップスのDAC7を左右独立で使い、
アナログ回路部は出力インピーダンスが0.1Ωと言うやたら巨大なアンプを積み込み、
その土台を支える電源はアナログ、デジタル部をトランスから分離するツイントランス
を採用していました。

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トランス以降の電源回路はこの様に出力電圧ごとに専用で用意されて、
ドライブユニットはこの当時はほぼ唯一と言っていいフローティング部を全く持たない
完全リジット接合で総重量は20kgと言うやたら巨大なプレーヤーでしたが
価格はバーゲンプライスの28万でした。
(とは言え高校生~新社会人が買える金額ではなかったですが・・・)
この当時この価格で手の込んだプレーヤはパイオニアのターンテーブルを採用したものや
TEAC/ESOTRICのVRDS搭載機がありましたがここらはグレード展開をして高いのから安いのまで
揃えていて開発費を広く回収できたのに対して、
KENWOODは他に展開する事がなくてこの製品だけで回収するしかない状態でこの価格をつけた
事に高校生ながらビックリしました。
まあその後実際に手に入れて「あーここがコストの壁なのね・・・」と言う部分は正直有りますが
今でもとても気に入っている製品です。
(特に一番感じた部分はこれだけの重量と価格なのにインシュレーターがABS樹脂の簡単なもので
ここをそれなりのインシュレーターに換えると音質は見違える程良くなりました。)

とにかく驚いたのが出力インピーダンスの関係か今まで使っていたCDPや知り合いのCDPと思うと
ピンケーブルによる音質差が出にくく比較的ピンケーブルに神経質になる必要性がない事と
その音質の素晴らしさでした。
但しピンケーブルには鈍感なのに完全リジットだからか置き場には非常に神経質で置き方で
驚く程音が変ってしまう部分がありました。
非常に綺麗でバランスの良い音なのですがどうもそれが強調されすぎて聴いていて正しいのだろうけれど
楽しくはないって部分は正直ありますがそれでもその分他で味付けが出来る音質ともいえます。

購入1年後に音とびが出始めてその時にピックアップレンズとピックアップ部を動かすモータASSYを
交換したので今は非常に快適な動いています。
ただ、余りに大きなピックアップを動かすのにベルトを使っているので将来的にそこが又駄目になるんだろうな
と言う不安は付きまとっています。

現在はDACに繋いで使っている関係でアナログ回路部は使うことが無いので
よりデジタル信号を鮮度良く取り出すためにアナログ回路をトランス部から殺して
全く通電していません。
もっともそんな処理もコネクタを1こ外すだけの事なので大して難しい事ではなくていつでも
アナログ回路を復活させることは出来ます。
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この写真の右下部分の3つ並んだコネクタのうち1つがアナログトランスに繋がっているので
それを外しているだけです。
この処理でDAC7でのD/A変換まではされても
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この巨大なアンプ部に通電されません。この処置をしてからは明らかに
デジタル出力の音質は向上しました。

今はこれで主にクラッシクを再生していますが、
少し低音に厚みが無くて力不足は感じますが、音が纏まって広がって消えていく感じが自然で
とても気に入っています。
その分単独の音を強く出すことは少し苦手な感じなのでそれが理由でジャズは殆んどこれでは再生しません。
これからもこれは壊れて使えなくなってもデザインが好きなので手放すことは無いと思います。