今まで7年間、個別指導塾で授業を行っていて、一番僕が悩んだことは、その生徒の成長につながりにくい指導をしなくてはならないときでした。


次のテストにこの内容が出る。だから、この公式の使い方を詰め込まなくてはいけない。

でも、テストまで公式を覚えてても、中身を覚えていないので、本当の意味では身に付かない。

身に付かないまま、また次のテストに備えて内容を先に進めるので、結局どんどん授業が理解できなくなり、生徒は苦しくなる。

こんなことの繰り返しでは、本当の意味での生徒の能力を伸ばせないのではないか。


でも、ほとんどの生徒や保護者にとっては、目の前の試験のテストに視点がいきがちです。

塾としては悠長に能力を伸ばすより、詰め込みでテストの点数を上げることに重点をおかれます。


僕も、塾に通わせる保護者は、そういう考えの人ばかりなのではと思うようになりました。

ところが、色んなところで会う方に、僕が「学校の勉強だけではない、考える力を伸ばす塾をやってみたい」というと、意外に賛同される保護者の方が多かったのです。


もしかしたら、今の教育の形に疑問を持つ保護者の方が増えてきているのかも知れません。

学校教育の終わったずっと先の、その子の生き方まで考えれば、目の前のテストの点数を上げることよりも、優先するべきことがあるのではないかと思っています。

本当の意味での考える力が伸びれば、自然と学力は上がります。それは緩やかなもので、目に見えにくいかもしれません。

ですが、常に子どもに接している保護者に「あ、うちの子は変わったな」「自分の意見を持つようになったな」と、そんな風に感じてもらえる塾にしたいと思っています。