🌌アナザーストーリー第1話《星灯めぐる》

──“言葉を信じられなくなった日”──

🌟視点の転換テーマ:

> 「ことば」が大切だと知っている子が、「ことばを信じられなくなった」その時から始まる物語。

──ことばが、迷子になる夜──

朝、教室の空気は、いつもより少し冷たかった。
隣の席の子が、めぐるにだけ話しかけてこない。
目も合わせてくれなかった。



きのう送ったメッセージの「ありがとう」に、返事が来なかったこと──
それだけで、胸の奥がざらざらと音を立てて、痛む。

「なにか……わたし、悪いこと言ったかな」
思い返しても、思い当たらない。
だからこそ、怖くなる。

自分が誰かを傷つけていたかもしれない、という不安。
それでも、何も聞けない、怖くて。

放課後、めぐるは図書室の隅で、万年筆を握りしめていた。
だけど──何も書けなかった。



詩も、日記も、手紙も。
「言葉が灯りになる」って信じてたはずなのに、今は
書けば書くほど、疑ってしまう。

> 本当にこれ、伝わる?
どうせまた、間違って受け取られるんじゃない?
わたしの言葉は、やさしいふりをして、
本当は独りよがりなんじゃないか──



涙までは出ない。
でも、心がぽっかり穴を開けたみたいに、
静かに沈んでいく。

そのとき、図書室のカートに置かれた古い詩集がふと目に入った。
宮沢賢治の詩だった。

> 「星めぐりの歌」──





そっとページをめくると、そこにはこう書いてあった。

> 「おまえがたずねれば、ことばはこたえるだろう。
 ただ、こたえが来るまでの沈黙に、
 本当の光があるのだ。」



……光?

その瞬間、めぐるの中にふっと何かが灯る。

沈黙の中でも、言葉はちゃんと生きている。
伝わらなくても、すぐに返事がこなくても、
その間にある時間が、わたしの言葉を育ててくれているのかもしれない──

そう思えたとき、ようやく手が動いた。

> 「届かないと思っても、
 わたしはことばをやめない。
 信じたいから。
 いつか、わたしにも返ってくるって。」



その一行をノートに書き終えたとき、
心にひとつ、小さな光が戻ってきた。

(つづく)



このお話は、**言葉の力を信じる子が、言葉を疑ってしまう“静かな喪失”**から始まる
ちょっと大人びた心の旅。




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