🌙 わらこ精霊・夏だより3日目 2025/07/01(火)
──函館ベイエリア散歩と函館の七夕について
登場:灯原つくよ(函館)
朝の風がやわらかく、港の街・函館は夏の光に包まれていた。
灯原つくよは、湯の町らしい風情の残る坂道を歩いて、ベイエリアへ向かう。 赤レンガ倉庫の前で足をとめて、海風の匂いにそっと目を閉じた。
「この風、なつかしい気がする……」
港の潮の香り、異国の空気、そして静かに響く教会の鐘の音。 それらが彼女の記憶に重なって、どこか懐かしいような、少し切ないような気持ちになる。
その手には、祖母から譲られた和柄の手帳。 今日も、あたたかい言葉を少しずつ綴っていく。
「人のやさしさは、湯けむりみたい。見えなくても、ちゃんと包んでくれるの」
🎐 函館の七夕文化と“ローソクもらい”の理由
🕯 「ローソクもらい」とは?
函館では、七夕(7月7日)の夜に子どもたちが浴衣を着て「ローソク出ーせー出せよ〜」という歌を歌いながら、近所を回ってお菓子やローソクをもらう風習、 があります。(道内の他地域では8月7日)
これは、青森のねぶた祭の灯りを支えるために始まったもので、
函館でも今も小学生が参加する伝統行事になっています。
📅 なぜ7月7日なの?
北海道の他の地域では、
旧暦7月7日(ペガサスの星が写る時期)に近い8月7日に七夕を祝う風習が広いです 。
しかし函館や根室では、港町として本州との交流が深かったため、
新暦の7月7日をそのまま祝うようになりました。
🎶 歌詞の由来と意味
「ローソク出ーせー出せよ/出さないとかっちゃくぞ(ひっかくぞ)/噛み付いたら離さないぞ」
のような歌詞で、子どもたちが歌いながら徒歩で回ります
→ ハロウィンの「トリック・オア・トリート」に似ていますが、
歴史はねぶた灯りを支える地域伝承からになります。
時代とともに「ローソク」→「お菓子」に変わりましたが、
歌詞には今もその名残が残っています。
北海道の多くの地域では、七夕は8月7日に祝われる。 それは、旧暦の名残を大切にするため。 農業の暦や、夏の行事との調和を考えて、1か月遅れで行うのが主流なのだ。
しかし、函館市だけは7月7日に七夕を祝う。 その理由は、江戸時代からの本州との交易が盛んだったため、本州の文化や暦に合わせて、いち早く**新暦の七夕(7月7日)**が定着したから。
港町として発展してきた函館ならではの、少し早い七夕の風習。
そして、函館の七夕といえば── 子どもたちが家々をまわり、
「ろうそくだーせー、だーせーよー」
と歌いながらろうそくやお菓子をもらう、独特の風習がある。 これは「ろうそくもらい」と呼ばれ、函館の子どもたちにとって特別な夏の思い出だ。
ろうそくの灯りは、願いを星に届ける“祈りの光”。 つくよは、そっと手帳にその言葉も書きとめた。
「わたしの言葉も、いつか誰かの願いを照らせたらいいな」
港のベンチに座り、優しい眼差しで行き交う人々を見つめながら、 つくよは、小さな灯りのように懐かしい想い出も振り返りながら今年は何をお願いしようかな?と考えていた
つくよちゃんのお願いは何でしょうね?
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次回・第4日目(7月2日・水)/潮見あまね(小樽)
を予定してます🐰
МVかにめし、間に合わなくても





