このお話は、主人公(マヤ)が、時間を巻き戻して、幼稚園児のマヤに会いに行くお話。
幼稚園の教室の片隅で、粘土をしている少女(マヤ)を見つけるところからストーリーは始まります。
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キラキラと微細な音を立てながら黄金の光が舞い降り、気がつくとマヤは、日のあたる教室の片隅に佇んでいた。未来から来たマヤの姿は、他の人からは見えないようだった。そして、ぽつんとひとりで、粘土で遊んでいる少女にゆっくりと近づいてゆき、こう尋ねてみる。
「・・・マヤちゃんは、みんなと一緒に遊ばないの?」
少女は、黙々と粘土を続けている。少女にも未来からやって来たマヤの姿は見えないのだろうか?
「・・・なんで、マヤちゃんは、粘土をしているの?」
もう少し大きな声で尋ねてみると、少女はチラッとマヤの顔を見上げ、クリスタルのように透き通った声でこう言うのだった。
「子供達と一緒の遊びたくないから、一人で粘土をしているの。」
「どうして?」
「私、子供じみた遊びは好きじゃない。先生はわたしを子供扱いするのよ。」
「だって、マヤちゃんは、まだ幼稚園でしょ?」
少女の瞳は一瞬で凍りつき、鋭利な光を放っている。
そして、再び下を向き、黙々と粘土を始めるのだった。
「ねえ、マヤちゃん、粘土でなにを作ってるの?」
再び尋ねてみると、少女は少し迷惑そうな顔をして「マル」と答える。
「どんなマル?」
「きれいな、まんマル」
「どうしてきれいなまんマルを作るの?」
「宇宙はきれいな、まんマルだから」
「そうか、マヤちゃんは、粘土で宇宙をつくっているんだね?」
「そう、宇宙」
少女は瞳を輝かせ、心なしか小さく笑っている。
(続く)