今日は教会のカレンダーの上では「『キリストの聖体』の祭日」とされています。

 

この祭日の歴史は古く、1264年に教皇ウルバノ4世が教令を発布して以来、教会全体で祝われるようになりました(女子パウロ会ウェブサイト、2024年6月2日)

 

渡部昇一氏のドイツ留学の体験を記した『ドイツ留学記上・下』(講談社現代新書)によると、氏がドイツに留学していた当時はドイツ国内のカトリックが優勢な州では「キリストの聖体」を休日として市内の主要な道路を通行止めにして道端に多くの祭壇を作って花を供え、人々が「聖体行列」として街中を練り歩き、祭壇の前に立ち止まっては祈りを捧げていたとのことです。

 

ここで、氏があえて「カトリックが優勢な州」と言っておられるのはドイツ国内にはプロテスタントが優勢な州もあり、そこでは「キリストの聖体」は公式の休日とならなかったからです。


これは「聖体」に対するカトリックとプロテスタントの教義の違いによるものですが、その問題についてはここでは立ち入りません。

 

氏によると中世にはヨーロッパ全体で祝われた最も賑やかなお祭りの一つであり、そのパレードで繰り出された山車の上で行われた宗教劇が英国演劇の母体になったとのことです。

 

「キリストの聖体」はラテン語ではCorpus Christiですが、世界的に超有名なOxford Universityには1517年に創立されたCorpus Christi Collegeがあります。やはり、中世ヨーロッパの伝統を受け継いだのでしょう。

 

なおアメリカ・テキサス州南部のメキシコ湾岸にCorpus Christiという名前の都市がありますが、この市の由来については不明です。

 

この「キリストの聖体」は上述のように13世紀に遡る、教会暦上で大変に伝統のある祭日で、本来は「三位一体の主日」の次の木曜日、つまり今年で言えば先週の木曜日に祝われるべきものでした。

 

しかし、女子パウロ会のウェブサイトによると、「日本のようにキリスト者が少ない国では、平日にミサに参加するのが難しいため、木曜日ではなく三位一体の主日直後の日曜日に祝うようにっ教会は配慮している」とのことなのです。

 

あるカトリック教会関係者に確認したところ、これは事実のようなのですが、伝統ある大切な祝日であっても平日ではミサに出席者が少ないため日を動かさざるを得ない、というのは日本におけるカトリック教会、というよりキリスト教会全体の現状を余す所なく表しているようで、寂しい限りです。

 

 

 

 

<参考>

 

 

女子パウロ会ウェブサイト: