四国にある天台宗寺院で長年にわたって男性僧侶から性暴力を受けたとして尼僧が当該僧侶と大僧正の資格剥奪を求める申立書を宗派宗務庁に提出した、というニュースを本ブログでもお伝えしました(本年2月1日)
このニュースではこの性加害が14年という長期間であったこと、また当該男性僧侶が天台宗大僧正の一番弟子と目される人物であったことに驚きました。
そして一昨日、尼僧・叡敦さんは天台宗務庁(滋賀県大津市)で聞き取り調査に臨み、その後、記者会見を行いました。
その模様はリンクした動画をご覧いただければよいのですが、叡敦さんの「14年経ってようやく土俵にのれたかなという気持ち」という言葉に胸を打たれます。
叡敦さんは2019年に刑事告発を行なったものの結局、不起訴処分となっています。
ここ数ヶ月、世間の注目を集めている松本人志事案に対し、ネットなどでは「告発した女性が警察に相談せずに文春に話を売り込んだのは金目当て」などというコメントが多くなされているようです。
確かに今のところ彼女たちの証言だけしかないのは事実ですが、警察に相談したとして果たしてどこまでまともに取り合ってもらえたでしょうか。
本件に関して天台宗務庁は「調査結果については公表も記者会見も行わない」としているそうです。
J事務所や松本人志の件では当事者側が早い時期に記者会見など公の場で個々の事案について事実関係を公表し自分たちの立場・見解を明確にしなかったことが「火に油を注ぐ」かっこうになってしまったのを天台宗は肝に銘じたほうが良いでしょう。