沖田臥竜『迷宮「三大未解決事件」と「三つの怪事件」』(2020年9月20日、株式会社サイゾー)

 

 

 

これまで長々と本書に書かれている事件について書いてきました。

 

改めて、「三大未解決事件」「三つの怪事件」のうちでも「歌舞伎町雑居ビル火災」事件は一般にも良く知られた有名な事件です。

 

しかし今般、本書を取り上げた一番の理由は一番最初に書かれている「文京区変死事件」なのです。

 

ふだんTVと新聞しか見ない人々(ということは大半の高齢者)でしたら恐らくご存知ないでしょうが、実はこれこそ週刊文春が過去2ヶ月にわたって「文春砲」を放ち続けて来た事件なのです。

 

週刊文春は特に8月3日号で13頁にわたってこの事件を詳しく報じています。

 

本書に出てくるA子さんは週刊文春ではX子、B氏は安田種雄氏そしてC氏はY氏に当たります。

 

本稿では週刊文春の記事の中身には敢えて踏み込みませんが、同記事に詳しく書かれていているもう一人の重要人物がZ氏です。

 

今は現役を退き地方都市で悠々自適の暮らしをしているらしいZ氏ですが、彼についてネット上では既にX子氏との関係、実名そして現役時代の職場や職級など明かされていますので、ご興味がおありの方は検索してみてください。

 

この事件を振り返って見ますと、大きく三つのフェーズに別れていることが分かります。

 

第一フェーズ:2006年の安田種雄氏死亡事案。

 

第二フェーズ: 2018年に行われたB子(文春のX子)に対する度重なる事情聴取とZ氏自宅への家宅捜索。

 

第三フェーズ: 週刊文春が毎週この事件を取り上げるようになってからの状況。

 

改めて確認しなければならないのは、第一フェーズは木原誠二官房副長官とA子さん(X子さん)との再婚よりだいぶ以前の話ですので、厳密には第一フェーズは「木原誠二事件」ではありません。

 

不思議なのは2ヶ月にわたって週刊文春が毎週、トップ記事扱いで報じてきたにも関わらず、新聞TVが殆んど報じていないこと、更に常日頃は政府与党の追求に熱心な諸野党、更には殆んどのいわゆる保守陣営と目される政治系Youtuberも腰が引けているように思えることです。

 

確かに警察庁長官や警視総監、警視庁捜査一課長が「事件性はない」と言明したように、なにしろ今から17年前の事案で物証や重要参考人と目される人たちの供述などが全く得られていない以上、軽々には取り上げられないという事情があることも一応は頷けます。

 

しかし、本書には2018年のA子自宅(文春のZ氏宅)への家宅捜索には某TV局のカメラが同行していたと書かれています。

 

つまり、警視庁記者クラブに属するメデイア各社のうち少なくとも一社は、担当捜査員のリークかどうかは別にしてこの「コールドケース」の掘り起こしについて何かを嗅ぎつけていたということになるわけです。

 

ネット上ではこのTV局がどこかも実名で出ていますが、その局の「情報番組」やニュースでこの文春報道が取り上げられた形跡は今のところありません。

 

本書が発行されたのはちょうど3年前の2020年9月ですが、週刊文春が本事案の取材のために10名前後の記者からなる取材チームを組んだのは約1年前だそうですので、本書の著者はそれより少なくとも2年前には本事案に目を向けていたのです。

 

普段から様々な事件を追いかけている新聞やTV局の記者、雑誌記者や編集者ならば沖田臥竜氏の著作は一応は手にとっていたのではないかと想像します。

 

その上で3年間、沈黙を守っているとすればやはり何らか「報道しない自由」を発動する行使する事情があったのでしょう。

 

繰り返しになりますが、捜査当局の公式見解として本事案には「事件性がない」ということになっています。

 

7月28日午後、実名を明かした上で記者会見を行った元警視庁捜査一課殺人犯捜査第一係警部補の佐藤誠氏は会見の中で繰り返し「自分の刑事としての経験と勘」ということを言っておられました。

 

作家の百田尚樹氏は自身のYoutube番組で「うっかりしてその重大性に気づかなかった」と叫んでおられましたが、本書の冒頭には

 

東京都文京区に暮らすA子から110番通報が入った

 

と書かれています。

 

常識的に考えて、夜中に目が醒めてリビングに行ってみたら家族が血まみれで倒れていたとしたら先ず最初に通報するのは110番ではなく119番のはずです。

 

また、安田種男氏の死因とされる刃物の傷やその刃物が置かれていた位置、あるいは血液の飛散状況などから佐藤誠氏は「現場を見た刑事ならば全員、あれに事件性があることはすぐに分かったはず」という意味のことも記者会見ではいっておられました。

 

この事案の背景や闇の深さについては木原官房副長官サイドが刑事告訴や人権救済の訴えをちらつかせていることから本ブログとしてもこれ以上の深入りはできません。

 

ただ最後に、つい最近、ある政治系ユーチューバーがA子(文春のX子)の実家について、2006年の事案とは今のところ直接の関係は見いだせませんが、大変に興味深い情報を流していました。

 

この新しい情報も含め、週刊文春は夏休みのため今週は休刊ですが、来週以降、さらなる「文春砲」が発せられるのかどうか、あるいは一部ネットで報じられているように某大手出版社社長の仲介で木原氏と週刊文春との間で手打ちが行われたのか、いずれにせよ引き続き目が離せません。

 

 

 

(以上)