「失われた10支族」の伝説の基になっているのが古代イスラエルにおける南北王国です。
旧約聖書の列王記上・下によると、ダビデ王の跡を継いだソロモン王の時代は「ソロモンの栄華」と呼ばれ、古代イスラエルのいわば絶頂期でした。
列王記上5章には
ソロモンは、ユーフラテス川からペリシテ人の地方、更にエジプトとの国境に至るまで、すべての国を支配した(1節)
更に繰り返して
ソロモンはティフサからガザに至るユーフラテス西方の全域とユーフラテス西方の王侯をすべて支配下に置き、国境はどこを見回しても平和であった。(4節)
と書かれています。
歴代誌上によるとソロモン王は父ダビデ王から次のような言葉を与えられます。
わが子ソロモンよ、この父の神を認め、全き心と喜びの魂をもってその神に仕えよ(中略)主は聖所とすべき家を建てるためにあなたを選ばれた。勇気をもって行え(28章9~10節)
そこで、ソロモン王は
荷役の労働者七万人、山中で石を切り出す労働者八万人、その監督三千六百人を動員(歴代誌下2章1節)
し、壮大な神殿をエルサレムのモリヤ山(同3章1節)したのでした。
このようにしてソロモン王の時代、イスラエルは栄華を極め、詳細は省略しますが、南アラビア(現在のイエメン付近)のシェバ王国から女王が来訪し(列王記上10章1節以下)
更に莫大な富を蓄えました(同14節以下)
実は古代オリエント史やイスラエル考古学の研究を踏まえると、この「ソロモンの栄華」はだいぶ様相が異なって来るのですが、本ブログでは次回以降も雨宮慧神父の『図解雑学 旧約聖書』に主に倣い、あくまで旧約聖書の記述に基づいてお話を進めて行くことにいたします。


