昨夜(7月1日)、フジTVで『タイタニック後編』がオンエアされました。
特に後半、しつこいくらいにCMが挟み込まれていささかウンザリしましたが、衰退の一途をたどるフジT VとしてはCM代理店(電通?)の意向には逆らえないということでしょう。
閑話休題(それはともかく)。
人によってそれぞれ感じ方は違うと思いますが、私にとって一番印象に残っている1シーンがあります。
それはここにリンクした動画でいえば1:10〜1:15のわずか5秒余りのシーンです。
そこでは母親とおぼしき女性がベッドに入っている二人の子どもに何か語りかけています。
実は、この親子は3等船室の乗客、海水が侵入して来る中でデッキに出ようとしますが、乗組員たちによって通路のゲートを塞がれてしまったため客室に戻ります。
そして、母親が子ども2人をベッドに入れると「最期の時」がきても子どもが怖がらないよう、アイルランドの民話 Tir Na Nogを語り聞かせて眠りにつかせるのです。
この母親を演じたのは Jenette Goldstein という俳優。
彼女はJames Cameron監督のもとで映画”Alien"に出演しましたので、"Titanic"の制作が決まったとき、Cameron監督から台本を渡され「自分の好きな配役を選びなさい。ただし、主役と主役のの孫娘はもう決まっているからね」と言われたそうです。
そこで彼女が選んだのがこの母親役。周囲からは出演時間も短い端役のような配役をなぜ選んだのか、と訝しく思う声が上がったそうです。
ネット情報によると、この決断には実は彼女自身の経験が背景にあるというのです。
1994年1月17日午前4時30分頃、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のノースリッジを震源とするM6.7の直下型地震が発生しました。
当時、シングルマザーであった彼女は5歳の息子と暮らしていましたが、明け方ということもあり息子は目を覚ましませんでした。
そして、すやすやと眠り続ける息子を抱いて「自分たちはどうせ助からない。それならせめてこの子が目を覚まして怖い思いをするころがないようにしよう」と思いながら自分自身が泣き叫びたいのをじっとこらえました。
この原体験がアイルランド移民の母親と幼い二人の子どものシーンとなったのでした。
撮影が終わってから彼女は涙を堪えるのに必死だったと語っていたそうです。
(BGMは賛美歌320番「主よ みもとに近づかん」)
