闇の中を歩む民は、大いなる光を見
死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた(1節)
先週に引き続き、イザヤ書からの旧約聖書朗読です。
先週ご紹介しましたように預言者イザヤが活動した時期に「シリア・エフライム戦争」(BCE733)が起こりました。
今日の朗読箇所の冒頭に
ゼブルンの地、ナフタリの地は辱めを受けた(8章23節)
と書かれているように再び勢力を拡大して来た大国アッシリアによって北イスラエル王国の領土が奪われました。
このような状況下、預言者イザヤは
ミディアンの日(3節)
について語ります。
いきなりミディアンの日と言われても私たちにはピンと来ませんね。
これは「アビエゼルの人ヨアシュの子ギデオン」がイスラエルを占領していたミディアンを打ち破ったという故事(旧約聖書士師記6〜8章)を指しています。
横暴を極めたミディアンを打ち破ったギデオンに匹敵する人物が現れます。
ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。
ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。(5節)
のであり、彼は
驚くべき指導者、権威ある神
永遠の父、平和の君(5節)
と人々に唱えられる、とイザヤは預言します。
そして、その時に
闇の中を歩む民は、大いなる光を見
死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた(1節)
というのです。
ユダヤ教の伝統の中ではこの「ひとりのみどりご」「ひとりの男の子」は南ユダ王国第13代のヒゼキヤ王を指すという説が行われているようです。
しかし、キリスト教が「ひとりのみどりご」「ひとりの男の子」をイエス・キリストの徴と見たのは間違いがないと思います。
「鼻をつままれても分からない」と言われるような漆黒の闇の中に輝く光はどれだけの励みであり、救いであったでしょうか。
参考:
雨宮慧『主日の聖書解説<A年>』教友社
『図解雑学 旧約聖書』ナツメ社

