家に入って見ると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた(11節)

 

今日の福音朗読箇所のストーリーは非常に良く知られています。

 

ただ、良く知られすぎているために長く誤解されていることもあるので、初めにその点だけ確認しておきましょう。

 

それは、新共同訳では「占星術の学者」(2節)と呼ばれている人たちについてです。

 

この人たちは伝統的に「三人の博士」と呼ばれてきました。

 

クリスマスに関する様々な絵でも、ここに添付したようにラクダに乗った三人の人物が明るい星に導かれている光景が描かれます。

 

 

この三人にはメルキオール、バルタザール、カスパールという名前が伝えられてされいます。

 

ところが、聖書にはこの名前は記されていません。それどころか実際には「三人」とも書かれていないのです。

 

閑話休題(それはさておき)。

 

今日は雨宮慧神父の解説に従って3つのポイントを簡単に纏めておきます。

 

まず、学者たちを東方から導いて来た「星」についてです。

 

旧約聖書の民数記24章17節に

 

ひとつの星がヤコブから進み出る。

 

と書かれています。 

 

この「ヤコブの星」はメシアが現れることのしるしです。

 

そして、預言者ミカの言葉通り(ミカ書5章)、「イスラエルを治める者」としてメシアがベツレヘムに誕生したのでした。

 

メシア誕生のしるしとしての星に導かれ、イエスのもとにやって来た学者たちは「ひれ伏して幼子を拝み」(11節)ました。

 

「ひれ伏す」はマタイが好んで使う言葉ですが、ここで学者たちは「イエスに真の礼拝をささげた」(『主日の福音-C年』のでした。

 

先に読んだイザヤ書60章jには

 

海からの宝があなたに送られ

国々の富はあなたのもとに集まる(5節)

 

シェバの人々は皆、黄金と乳香を携えて来る(6節)

 

と書かれています。

 

星に導かれてはるばる東方からやって来た学者たちが幼子イエスの前にひれ伏し、宝の箱を贈ったことで旧約の預言は成就したのでした。

 

万事めでたしめでたし、と言いたいとこですが、最後に宝の箱に入っていたのが「黄金、乳香、没薬」の3つであったことに注目しましょう。

 

「黄金、乳香」については上述のようにイザヤ書にも預言されていて、各々、王位そして祈りの象徴とされています。

 

ところが、没薬は本来、鎮痛剤さらには遺体を保存するための防腐剤として用いられていました。

 

つまり、学者たちの贈り物の中に旧約の預言に加えて幼子イエスが将来歩むであろう苦難と死そして復活を象徴する物が加えられていたということになるのです。

 

参考:

 

雨宮慧『主日の聖書解説<C年>』教友社

    『主日の福音-C年』オリエンス宗教研究所

女子パウロ会『キリスト教豆知識』同会ウェブサイト