主に願って得た子供なので、その名をサムエル(その名は神)と名付けた(20節)

 

 

今日の旧約聖書朗読は預言者サムエルの誕生に関わる話です。

 

サムエルの父であるエルカナにはハンナ、ペニナという二人の妻がいました。

 

「二人の妻」ということで現代ならばコンプライアンス的に「許せない!」となるところでしょうが、何しろ3千年前の話ですので、そこは許容いたしましょう。

 

「二人の妻」の内、ペニナは子宝に恵まれましたが、ハンナには子どもが出来ませんでした。

 

ペニナはハンナを大変に嫌い色々と苦しめたのですが、どうやらエルカナはハンナのほうを気に入っていたようなのです。

 

この辺りのいきさつは日本でも戦国時代や徳川幕府の大奥などでいくらでもありそうな話ですね。

 

むろん、現代ではコンプライアンス違反ですが...

 

閑話休題(それはさておき)

 

ハンナが「悩み嘆いて、主に祈り、激しく泣いて、誓いを立てた」(10~11節)ところ、やがて彼女は身ごもり、男の子を授かります。

 

彼女はその男の子をサムエル(その名は神)と名付けたのでした。

 

今日の朗読箇所に

 

わたしが願った(27節)

 

主にゆだねます(28節)

 

というハンナの言葉が出て来ます。

 

二つの違った言葉が使われていますが、実はここで「願う」と「委ねる」と訳し分けられている原語は「シャール」という同じ言葉なのです。

 

ヘブライ語文法の詳しい解説は割愛しますが、雨宮慧神父は「シャール」という言葉について

 

「主にゆだねる」の直訳は「この子について主が願うのを許した」となる(『主日の聖書解説<C年>』)

 

としたうえで、

 

ハンナから神に「願い」が向けられ、次に神からハンナに「願い」が向けられたことになります(『主日の聖書解説<C年>』)

 

としておられます。

 

「願い」は決してハンナから神への一方的なものではありませんでした。

 

ハンナの「願い」に対して神も「願い」で応えたということです。

 

祈る少年サムエル

 

 

参考:

 

雨宮慧『主日の聖書解説<C年>』教友社

    『図説雑学 旧約聖書』ナツメ社