見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り

「日の老いたる者」の前に来て、そのもとに進み(13節)

 

今日の旧約聖書朗読は先週に引き続き、ダニエル書からです。

 

7章1節には

 

ダニエルは、眠っているとき頭に幻が浮かび、一つの夢を見た

 

と書かれていますが、このダニエルが夢で見たのが、新共同訳の見出しにもなっている

 

四頭の獣の幻

 

でした。

 

雨宮慧神父に拠ると

 

「獅子のような第一の獣」(4節)

「熊のような第二の獣」(5節)

「豹のような第三の獣」(6節)

 

はそれぞれバビロニア帝国、メディア帝国、ペルシャ帝国を指しています。

 

これらはいずれもかつて古代オリエント世界の超大国でした。

 

そして、7節でその禍々しさがことさら強調されている

 

「十本の角を持つ第四の獣」

 

は、アレクサンダー大王の幕僚の一人であったセレコウスによるセレコウス王朝を指しています。

 

この王朝もシリアからペルシャまでを支配する超大国でした。

 

セレコウス王朝がローマによって滅ぼされたのはBC63年ですのでダニエル書の著者はこの王朝を念頭に置いていたと考えられます。

 

前置きはここまでにして今日の聖書箇所から2つの言葉を学びましょう。

 

順序が逆になりますが、先ず

 

「日の老いたる者」

 

についてです。

 

日本語としては少し分かりにくい言葉ですが、9節には

 

王座が据えられ

「日の老いたる者」がそこに座した。

その衣は雪のように白く

その白髪は清らかな羊の毛のようであった。

 

と書かれています。 

 

この「日の老いたる者」とは神を指しているのです。

 

 

次に

 

「人の子のような者」

 

という言葉ですが、「人の子」でしたら要するに人間ということになります。

 

13節には

 

「人の子」のような者が天の雲に乗り

 

とあります。

 

 

以前から度々、触れていますように雲は神の顕現の徴ですので、天の雲に乗った者は「人の子」ではなく、「人の子のような」天的な存在ということになるわけです。

 

このダニエル書7章は私たちに「ヨハネの黙示録」をはっきりと想起させてくれることに改めて注目したいものです。

 

参考:

 

雨宮慧『主日の聖書解説<B年>』教友社

      『図解雑学 旧約聖書』ナツメ社