彼らは泣きながら帰って来る。(9節)
今日の聖書箇所であるエレミヤ書は52章から成り、イザヤ書、エゼキエル書と並んで旧約聖書の「三大預言書」と呼ばれています。
このエレミヤ書の30~33章は
捕囚の民の帰還と復興の約束(『主日の聖書解説<B年>』)
を記しています。
今日の朗読箇所で7節には「残りの者」という言葉が出て来ます。
この「残りの者」たちは、敗北した側が悉く殺戮されるか奴隷とされる中で生き残った人々であり、
「民族再生への希望をつなぐ種」(『主日の聖書解説<B年>』)
です。
ここで注目したのは、「民族再生の種」とされているのが王侯貴族や軍人、祭司などでは無い、という点です。
その中には目の見えない人も、歩けない人も
身ごもっている女も、臨月の女も共にいる(8節)
と書かれているように、現代の表現でいえば「社会的弱者」が中心になるのです。
考えてみればそれは当然で、敗戦側の王侯貴族などは真っ先に殺害されてしまい、後には残らないでしょう。
「民族再生」は社会的には無力な大衆によって担われます。
とすれば、それは人間の力ではなく、神の助け、神の力がなければ成し遂げられないということになります。
神は無力な人を通して大きな力を世に示す(『主日の聖書解説<B年>』)
のです。
参考:
雨宮慧『主日の聖書解説<B年>』教友社
『図解雑学 旧約聖書』ナツメ社
大貫隆他編『岩波 キリスト教辞典』岩波書店