わたしが父のもとからあなたがたに遣わそうとしている弁護者、すなわち、父のもとから出る真理の霊がくるとき、そのかたがわたしについて証しをなさるはずである。(15章26節)
弁護者とは「弁舌をもって、当事者を擁護する人」と言う意味ですが、私たちは日常的には余り使わない言葉ですね。 弁護人、というのが普通ですし、職業としてなら弁護士となります。
この弁護者の原語であるパラクレートス(παράκλητοσ)には「援護者」「弁護者」「代弁者」「助け主」などの意味がありますが、より詳しく言うと
「(誰々に何かの所用で)呼び寄せられた者」
ということになります。
そして、この言葉は新約聖書の中でヨハネによる福音書とヨハネの手紙一だけに出て来る言葉です。
特にヨハネによる福音書16章2節に
「人々あなたがたを会堂から追放するだろう。しかも、あなたがたをっ殺す者が...」
と書かれていることから、信徒たちの置かれている迫害あるいは裁判といった状況の中で使われていることが推測できます。
父なる神のもとに戻るイエスは弟子たちに
「わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。」(14章16節)
と言いました。
この「別の弁護者」が「真理の霊」(14章17節)であり「聖霊」(14章26節)なのです。
更にイエスは
「言っておきたいことは、まだたくさんあるが、今、あなたがたには理解できない。」(16章12節)
と言います。
しかし、続けて
「その方、すなわち真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。」(16章13節)
とも言っているのです。
この言葉は私たち一人ひとりに向けられた言葉ということも出来るでしょう。
参考:
雨宮慧『主日の聖書解説<B年>』教友社
荒井献他監修『ギリシャ語新約聖書釈義事典III』教文館