主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。(7節)
創世記には実は創世の物語が2つあることは良く知られています。
旧約聖書学の研究では違うソースを後から編集したものというのが定説ですが、ここではそれにはここでは立ち入らないことにします。
人間の創造についても1章では
神は御自分にかたどって人を創造された。
神にかたどって創造された。
男と女に創造された。(27節)
と書かれています。
しかし、今日の聖書箇所では上述のように、「神が自分にかたどって人間を創造した」とは書かれていません。
「人間は土の塵から造られた」とされているのです。
この言葉が原語ではアダム(人間)とアダマー(土)のゴロ合わせになっているのも興味深いことです。
それはさておき、「粘土から造られた」とだけ書かれているその限りにおいては人間も他の被造物と変わりはありません。
このことは、人間が尊大にならないための戒めと考えることもできます。
しかし、他の被造物と変わりのない、いわば「粘土人形」の鼻から息を吹き入れることによって神は人間を特別の存在,としたのであり、そこに人間の本質がある、ということでしょう。
参考:
雨宮慧『主日の聖書解説<A年>』教友社
手島佑郎『心を鍛える「聖書」』日本マンパワー出版