日本人はなぜWBC不参加決定を称賛するのか? | 女性パート モチベーション&目標管理専門 社会保険労務士

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日本プロ野球選手会がWBCの不参加を表明しました。

この決定について、

多くの人が賛同しております。

私もその一人です。


大会のスポンサー料の半分を日本企業が支払い

多くの有力選手を故障覚悟で参加させているのに

メジャーリーグは金銭的にも人材的にも負担を逃れている。

そんな不平等な扱いを看過できないという

日本サイドの野球関係者の不満は当然のことと思います。



多くのネット上のファンの意見も選手会の決定に好意的です。

しかし、なぜ当事者でもない多くの日本人ファンは、

WBC不参加決定を称賛するのでしょう?


選手会がWBC不参加の理由として挙げているのは

スポンサー権や商品化権を不合理に

アメリカ主催者側に持っていかれていることですが、

この経済的不平等はファンにはまったく関係のないことです。


面白い試合を観ることが利益である野球ファンにとっては、

むしろ国際的真剣勝負を見ることができないこの選手会の決定に対して

「金より名誉を重んじろ!」と

非難するのが自然な行動なはずです。


しかし、多くの野球ファンはWBC不参加に大いに賛成しています。

私自身もそれが当たり前と感じています。

ファンにとっては大きな楽しみとなるはずである

人気選手のガチの国際試合が観られなくなるというのにです。



この出来事は

自分の楽しみよりも他人の金銭的利害になぜかこだわる

日本人の心理とはいかなるものなのかという疑問を私にもたらしました。


その疑問について考えた私は

J.S.アダムスが1965年に発表した

公平理論にヒントを見出しました。


公平理論とは

自分が仕事に費やしたもの
(努力や経験、持っている技術などのインプット)に対する

仕事をしたことによって得られたもの
(報酬、昇進、名誉などのアウトプット)

の割合が他人のそれと比べ高いと感じるか低いと感じるかが

人のモチベーションに大きく影響するという理論です。


例えば職場において

アウトプット(利益) / インプット(費やし)の割合が、

同僚(他者)と同じ場合つまり、

同僚(他者)のアウトプット / 同僚(他者)のインプット=自分のアウトプット / 自分のインプット

となった場合は、人は職場に公平感を感じ、働くモチベーションを維持できます。

しかし、

同僚(他者)のアウトプット / 同僚(他者)のインプット>自分のアウトプット / 自分のインプットと

同僚の方のアウトプット(利益) の割合が自分より高い場合は、

人は不公平感に支配され

たちまちモチベーションを低下させてしまうのです。


アダムスによると、この不公平感に見舞われた人の行動は

以下の4通りに分かれるそうです。


1. 自分のインプット(費やし)を減らすか

2. 自分のアウトプット(利益)を増やすか

3. 他人のアウトプット(利益)を減らすか

4. 他人のインプット(費やし)を増やすか

上記のいずれかの行動を選択し公平感を得られる努力をするのです。



しかし、それでも公平感を得られなかった場合は

① 比較する他者を代える

② 仕事をやめる

③ 我慢する

のいずれかを選択します。


日本プロ野球選手会は、

自分のアウトプット(スポンサー料や商品化権)を増やし

比較他者であるメジャーリーグのアウトプットを減らそうと交渉しました。


しかし、残念ながらそれが叶わないと判断した選手会は、

公平感を得られなかった結果としてWBC不参加という選択をしたのです。


おそらく

日本の野球選手に自己同一化している多くの日本人野球ファンは

この不公平感によるWBC参加のモチベーション低下に共感しているものと思います。

だから、ファンとして不合理な日本のWBC不参加にも賛意を惜しまないのでしょう。


メジャーリーグにしてみれば

自分より格下に見ている日本プロ野球とそのファンの

自らに対する反発的反応に少しは驚きを感じているかもしれません。


この出来事は、人間の社会において人の不平等感を放置すると

思いもよらぬ反抗を受け

時に痛手を受けることがあることを

組織や団体を束ねる立場にあるものは

肝に銘じなければならないという教訓なのです。



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