今、大相撲を揺るがす大スキャンダル八百長問題
相次ぐ不祥事にもう国民は誰もがあきれ顔となり、
仏の顔も三度までという心境でしょう。
私はこの問題について
仲間同士でひそかに勝ち負けをやり取りする様が
なんとなく談合と構造が似ているように感じました。
昨年、NHKで談合をテーマにした
「鉄の骨」というドラマが放映されました。
劇中に「談合は安定をもたらす企業の知恵なんだ」
とゼネコン社員の主人公が恋人に堂々と語るシーンがあり、
談合は必要悪であるという
常識的に到底受け入れられない考え方に
若い主人公が染まっていく描写が
とても寒々しい印象として残っております。
しかしいくら仲間内に平和や安定をもたらそうが
談合は明らかに不正であり、
社会全体に不利益をもたらし、
発展を阻害する社会悪です。
大相撲の業界もゼネコンのように
その密室的体質によって世間離れした
悪しき倫理観道徳観を醸成させてしまったのかもしれません。
またこの事件は報酬と倫理観の関連性について
考えるべき問題でもあるかと思います。
十両から下の力士は
人間扱いされないというほどの
階級による待遇差がこのような問題を
生み出したという意見が多く聞かれます。
勝ち星だけがすべてを決する
という報酬制度は
大相撲が日本における伝統的な神事であるということと
世の中の相撲ファンに
劇的な勝負により感動を与えるという使命が
自分たちに課せられているということについて
下位にいる多くの力士たちを
頗る無関心にさせ
自分の勝ち星勘定と十両残留にしか興味を
持てなくしてしまった。
これは極端な成果主義的報酬が
生産性と仕事に対する倫理観に
大きな悪影響を及ぼすということの
証左を示しているのではないかと思います。