2016930日、スロベニアとの間で新たに租税条約が署名されました。 この租税条約は、OECDモデル租税条約に沿ったものとなっていますが、現行のOECDモデル租税条約の規定と比べて、以下の点が異なっています。その多くはBEPSプロジェクト最終報告書の条文改正案を反映したものです。

1. 表題及び前文

租税条約の目的として「脱税及び租税回避の防止」を表題に含め、前文で「脱税又は租税回避を通じた非課税又は租税の軽減の機会を生じさせることなく、二重課税を除去する」ことが租税条約の目的であることを明記しています。この規定は、BEPS報告書の改正案を反映したものです。

2. 第1条(対象となる者)

 

「課税上存在しない」団体又は仕組みが取得する所得については、団体等の居住地国において居住者の所得と取り扱われる場合には、居住者の所得とみなすことが明記されています(第1条第2項)この規定は、BEPS報告書の改正案を反映したものです。



3. 4条(居住者)



二重居住者の居住地国は、権限ある当局が協議により居住地国を決定することとされていますが、両締約国の権限のある当局による合意がない場合には、租税の減免を認めないこととしています(第4条第3項)。この規定は、BEPS報告書の改正案を反映したものです。



国外源泉所得が送金されず二重課税が発生しない場合にまで租税条約の特典を与えないよう、租税条約の軽減又は免除は送金済の部分についてのみ適用することとしています。(第4条第4項)

(つづく)