2017118日、ラトビアとの間の租税条約が署名されました。

 

ラトビアは、1986年にソ連邦との租税条約が締結された時点ではソ連邦の構成国でした。ソ連邦崩壊後、旧ソ連邦との租税条約は、日本国政府がロシアをソ連邦と継続性を有する同一の国家として承認したため、ロシアに有効に適用されています。ウクライナ、ウズベキスタン、 カザフスタン(1995年に適用関係を終了。、2008年に新租税条約を締結)、ベラルーシ、 アゼルバイジャン、 ジョージア(旧グルジア)、 タジキスタン 、モルドバ、 キルギス、トルクメニスタン及びアルメニアについては、旧ソ連邦との租税条約の適用を確認する書簡が交換されています。

 

ラトビアは、1991年にソ連邦崩壊前にソ連邦を脱退したため、それ以降、我が国との間に租税条約が存在しない状態が続いていました。なお、同時にソ連邦から独立したエストニア及びリトアニアとの間でも、現在租税条約を締結するための交渉が行われています。

 

ラトビアと締結された租税条約は、現行のOECDモデル租税条約に基づき、BEPSプロジェクト最終報告書のOECDモデル租税条約改正案を反映した規定も採用したものとなっています。

 

主な特徴として以下の点が挙げられます。

 

1. 表題及び前文

 

「脱税及び租税回避の防止」が租税条約の目的の一つであることを、租税条約の表題及び前文で明らかにしています。これは、BEPS最終報告書の改正案を反映し変更されたものです。

 

2. 第1条(対象となる者)

 

「課税上存在しない」団体又は仕組みが取得する所得については、団体等の居住地国において居住者の所得と取り扱われる場合には、居住者の所得とみなすことが明記されています(第2項)。これは、BEPS最終報告書の改正案を反映したものです。

 

3. 4条(居住者)

 

個人以外の二重居住者については、両締約国の権限ある当局が決定することとし、両締約国の権限のある当局による合意がない場合には、租税の減免を認めないこととされています(第4条第3項)。この規定は、BEPS最終報告書の改正案を反映したものです。

 

4 第5条(恒久的施設)

 

5条の規定は、現行のOECDモデル租税条約の規定に基づいていますが、BEPS最終報告書の改正案のうち、建築工事現場等の12箇月テストの濫用に対抗する規定(第3項)、第4項の準備的又は補助的な活動の濫用防止規定(第5項)、代理人PE(第6項)、独立代理人(第7項及び第8項)の新規定を採用しています。

(つづく)