(4) 対象租税協定の目的(第6条)
第1項は、脱税又は租税回避を通じた非課税又は租税の軽減(第三国の居住者の間接的な利益のためにこの条約において与えられる租税の軽減を得ることを目的とする条約漁りの仕組みを通じたものを含む。)の機会を生じさせることなく二重課税を除去する当事国の意図に言及した前文を追加することを規定しています。これは、OECDモデル租税条約のIntoroductionに追加される予定の前文と同じです。
また、第3項は、経済関係の発展を図り、又は租税に関する協力を希望することに言及する前文を含まない租税条約については、同前文を加えることを規定しています。
我が国は、すでに第1項及び第3項の前文を加えているドイツとの租税条約を除き、対象租税協定の前文を第1項の前文に置き換え、第3項を加えることを通告しています。
(5) 条約の濫用の防止(第7条)
第1項は、全ての関連する事実及び状況を考慮して、仕組み又は取引の主たる目的の一つが条約の特典を受けることである場合には、当該特典を与えることが条約の関連する規定の目的に適合することが立証されるときを除き、当該特典は与えられないことを規定しています。これは、OECDモデル租税条約に追加される予定の主目的テストと同じ規定です。
第1項の規定は、同様の規定を有する対象租税協定の規定に置き換わり、同様の規定のない対象租税協定に追加されます。我が国は、同様の規定を有する対象租税協定として、オーストラリア(第10条第11項、第11条第10項、第12条第8項)、フランス(第10条第9項、第11条第10項、第12条第6項、第22条第5項)、ドイツ(第21条第8項)、香港(第26条)、メキシコ(議定書第1条、第3条)、ニュージーランド(第23条)、ポルトガル(第21条)、サウジアラビア(第24条)、南アフリカ(第22条、議定書第2条)、スウェーデン(第21条C)及びイギリス(第10条第10項、第11条第7項、第12条第6項、第21条第5項)を通告しています。
第8条から第13条に規定する特典制限規定を適用したい国は、その選択を通告することとされていますが、我が国はその通告を行っていません。
(つづく)