20151126署名された「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための取決め(日台民間租税取決め)」では、その日本語表題で、「取決め」の用語が使われています。

 

「取決め」が使われているのは、これが公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間で締結された「民間合意」であるためです。これに対して、国と国で締結された「国際約束」の場合、同じトリキメでも「取極」の用語が使われています。租税条約の日本語文又は日本語訳でも、この「取極」と「取決め」は、同様に使い分けられています。

 

租税条約に出てくる「取極」の例には、次のものがあります。

 

l  アラブ首長国連邦やクウェートとの租税条約の議定書では、「租税に関連する地域的取極」で認められる特恵、特権その他の待遇は、無差別条項の対象外であることを規定しています。

l  ニュージーランド等との租税条約では、徴収共助の対象となる「租税債権」は当該租税条約又は両締約国が当事国となっている他の取極の規定に反しない場合に限ることが既定されています。

 

これに対して、租税条約に規定されている「取決め」の例としては、次のものがあります。

 

l  日米租税条約第25条第3項の事前価格取決め

l  日豪租税条約第11条第4項のバックトゥバック融資に関する取決め

l  日蘭租税条約議定書第4条のいわゆる費用分担取決め