Sunday*Novwl『漆黒の空の先に見えたのは』 | 千夜一夜の夢物語

千夜一夜の夢物語

何気ない日常、それはありえない非日常。

いつもどおりの現実、しかし考えるのは非現実。

当たり前の事実、捻じ曲げられた虚構。

お断り:毎週日曜日は一応適当な小説を書いていく日になっていますので、ご了承下さい。

    付き合いきれないわ!という方は、回れ右でお願いします。



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着なれない浴衣を着ると、顔がどうしてもニヤけてしまう。

待ち合わせ場所までの道のりで、浴衣姿の人を何人見かけたのだろうか。



小さな巾着の中に忍ばせた携帯電話を、そっと取り出して時間を確認する。

まだ少しだけど、時間まである。画面を暗くして、それを鏡替わりに使う。

家を出るときにも気になっていたのだが、いまいち前髪がきまらない…。

「うー…もう少しブローしてくればよかったかなぁ~」

携帯の画面とにらめっこしながら、手ぐしで前髪を整える。

しばらくすると、背後に待ち人の笑い声が聞こえてきた。どうやら少し前から

後ろにいたみたいだった。

「ちょっとぉ~着いてたんなら、声かけてくれたっていいじゃないのよ」

「ごめん、だってお前のそういう表情見ることなんてあまりないからさ、ついね」

そういうと、今私がセットしていた前髪をそっとなでるようにしてほほ笑んだ。

くそぉ…私がこの笑顔に弱いと知っていてやってるな、きっと。



私の少し前を歩く彼の背中を見ていて、思っている以上に広いんだなと

実感してしまう。洋服からではわからない骨格が、浴衣だとよくわかるなと…。

「しっかし、浴衣って暑いのな…もう脱ぎてぇ…」

「せっかくきれいに着付けてもらってるんだから、そんなこと言わないでよ」

「そうだな、ってお前は自分で着付けしたんだっけ?」

「うん。少しお母さんに手伝ってもらったけど」

私の浴衣をじっと見つめて、彼が何度かうなづく。その様子を見て私が顔を

かしげていると、彼が再び頭をなでてきた。

「頑張ったな、すごくかわいいよ」

やっぱり反則だと思う、この笑顔…ちくしょう。



やはり会場に近づくにつれて、人は多くなり身動きがとりづらくなってきていた。

必死に彼の手を離さないようにしがみついているものの、ふっと気を抜くと

外れてしまうんじゃないかと思うぐらいの人の多さだ。

「ちゃんと捕まえてろよ?はぐれたら、探すの大変…っていうか、こりゃ探せねぇよ」

「そうだね、頑張ってついていくよ」

声をかけると、お互いの手を強く握り返した。

土手に座って落ち着こうと思ったけれど、出足が遅かった所為か場所がなくて

結局、少し外れた場所へと落ち着くことにした。

「少し離れちゃったな、でもまぁ…いいよな、別にさ」

「うん、人がごちゃごちゃいるよりはいいと思う」

肩を寄せ合うように、お互いの体を近づけて大輪の花が咲くであろう場所を見つめる。




漆黒の空に、眩いばかりの光が映える。

すぅーーっとまっすぐに上がった光の筋は、あっという間に大輪の花を咲かせ

すぐに闇に溶けていってしまう。この儚いやりとりが、私は好きだ。

そっと隣にいた彼の横顔を見て、なぜだか胸が高鳴る。

「ん?せっかくなんだから、俺じゃなくて花火見ろよな?」

「あ、あぁ…うん…そうだね」

そういって、再び花が咲き誇る場所へと視線を移すと彼がつないでいた手を

そっとほどき、私の背後へと回った。何事?と思って振り返ろうとしたら

後ろからぎゅっと抱きしめられた。

「ちょ、いきなり何!?」

「だって、俺のことばっかり見てるからさ。背後に回ったら花火ちゃんと見れるでしょ?」

「そりゃ…そうだけど…」

隣にいて、手をつないでいるだけでも胸は高鳴っていたというのに背後から

抱きしめられたら、それ以上に胸が締め付けられるってわかってない…んだろうな。

彼の右手がそっと私の浴衣の合わせの部分に伸ばされる。

すると、ふと動きが止まって私の顔を覗き込んだ。

「お前…浴衣の合わせ逆じゃん…」

「え??」

彼にそういわれ、自分の胸元の合わせ部分に手を伸ばすと左前ではなく右前に

なっており、確かに逆になっていたのだった。

「うぅう…恥ずかしい…」

「俺もすぐに気づけばよかったよな…ごめん」

「それでも、よく気づいたね?」

そう疑問を投げかけると、彼は私の耳元に口を寄せてそっと言葉を発した。



「だって、男が女を後ろから抱きしめて胸元に手を忍ばせやすいように

 右前になってるんだぜ?なのに、手が入り込まねぇんだもん」



真面目な顔で、そんなことを言われて顔が真っ赤にならない人がいるのだろうか。

今だけは、この漆黒の空に輝いている花火の色の所為だといわせてほしい。





「ま、お楽しみは後で…だろ?」





end





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あーお久しぶりです。

くだらない文章を相変わらず書いていますが、流してください。

そう、流しそうめんのように!!!(意味不明だ)



元気ですよ。多少暑さにやられている部分もありますが、基本元気です。

3連休はちょっと遠出してみたり、仕事はなんだかいろいろ気を遣わせて

しまったりしている今日この頃ですが…(笑)

漫画の新刊を買って、読んでのんびりと時間を過ごしたりしている日々でも

あります。最近は、寝る前に『Switch』を読み返してます。

ただいま10巻まで読み終わったんですが『DOLLS』に比べて、画面が暗くないので

目にやさしいなと…(ヲイ)



前にゲェムを最近やっていると話をしたと思うのですが、それを夜な夜な

ちょっとずつやっている状況でもあります。

何かと言うと『キングダムハーツX〔chi〕』です。今週から正式なサービスが

始まったわけですが…やっている人とかっているのかな??

私はひたすらにレベル上げて、のんびりミッションをこなすということを

やっています。もし、見かけたらクスッと笑ってやってください。