アカレコ2018、終演。想いつらつら。 | Vocalist 森丘崇の“ROCKでバキューン!!”

アカレコ2018、終演。想いつらつら。

アカシックレコードクラシック再演が終わりました。

昨年2月~3月にかけて公演された作品の再演で、かなり前から再演したいという話をきいていました。


いろいろとTwitterに投稿してるので、ここにはそれ以外で思うことをつらつらと書きたいと思います。



まず、再演というものの難しさを稽古の早い段階で感じました。

どうしても初演のイメージが強く、僕を含め初演に出た共演者たちの頭の中で無意識に初演と比べていたと思う。

確かに初演は素晴らしかった。
初演の出演者だからこそのセリフもあったし、素晴らしかったからこその再演なわけです。



考えてみると、曲も同じ。
すでに出来上がったアレンジを崩して別のアレンジを考えるというのが一番難しい。


きっとお客様の中でも初演を見た人もいるから、無意識に比べられる。


正直、個人的には通し稽古をするまで世界観が見えなくて、これ結構ヤバイなと思ってました。
あくまで個人的に、自分の仕上がりについて、です。


他の出演者さんも同じように思ってたみたい。


でもそこはみんなさすがプロ集団。

アッコのキーボードが入っての通し稽古でかなり見えた気がしました。



初演の時もそうだったけど、共演者がみんな素晴らしい。





みんなとても一生懸命。
「こんなもんでいいや」の雰囲気が一切ない。

それはきっと、W主演の原ちゃんとるるたんの芝居が引っ張ってくれたのもあるのかな。

彼女たち2人はほんとにすごい。
再演のプレッシャーを一番感じてたのは間違いなく2人だったと思う。


初演の時は、千穐楽公演のカーテンコールでは確か泣いてなかったけど、今回は2人とも泣いていた。
るるたんは引くほど泣いていた。笑
かく言う僕も泣いていた。笑


泣けるほど何かを頑張れるって、ほんとに幸せなこと。


そして、今回初めてアカレコに出てくれた青野楓花ちゃんがカーテンコールで泣きながら言っていた。

歌があって、ダンスがあって、こんな素敵な作品に出れるなんて夢みたいだと。

おじさんはこのコメントにもらい泣きしちゃったんだよ。



エンタメってさ、なくても生きていけるじゃないですか。
衣食住よりも優先順位は下だし。
だからエンタメをやってる僕らは、自分たちが作品に関われること自体が奇跡的なことで、ましてそこにお客様がたくさんいるなんて本当に幸せなことなんです。

そして、僕が作詞作曲した曲を3曲も脚本で使っていただいて、こんなに嬉しいことはないんです。


感謝が溢れての、最後のカーテンコールでの挨拶でした。




で、ここからは作品の話。

個人的に僕がアカレコを好きなのは、誰も死なないとこなんです。

大地震が来る直前でタイムスリップが解けて原田と明石が現代に戻るわけですが、現代に戻っても登場人物の誰も死んでないんですよ。
とても優しいハッピーエンドになってるんです。


現実で言うと、東日本大震災。
あの地震直後、生きてることが当たり前じゃないんだと初めて痛感しました。
1日1日を大切に生きようって。
それと似たようなメッセージがアカレコには込められていて、風化しそうになる思いをアカレコが呼び戻してくれたような気がします。

シュウが原田さんに言った
「僕ら明日と戦おう。たとえ運命が決まっていたとしても」
というセリフは、東日本大震災直後に感じたことを思い出させてくれました。


それから、個人的に好きなセリフ。

「プラネタリウムと違って本当の星は環境によって見えづらかったりします。でもそれは、星が輝いていないわけじゃないんです。星は、あなたは、多分輝いていたんですよ。」

うん、そうだね。
星の輝きはいつだって変わらない。
雨の日や曇の日はその輝きが見えないだけ。
素敵なセリフです。




そして劇中で歌ったプラネタリウムという曲について。

オープニングの1/100スローモーション、エンディングのアイタイ。は誰かの恋愛事情や自分の体験で作詞をしてるのですが、プラネタリウムは実は何の想い入れもない曲なんです。

そう書くと何だかガッカリさせちゃうかも知れませんが、続きがあります。

この曲は、ラブバラードとして勝負できる曲が1つほしいと思って作りました。
サビの「プラネタリウムに願い込めた」というフレーズが降ってきて、そこからイメージを膨らませて作ったわけですが…

ただただ、万人が認めるいい曲を作りたかった。
誰もが共感したり心の琴線に触れるような曲を作りたかったんです。

だから個人的な体験とかはわざと入れないようにしたんです。
聴いた人が自分の体験や想いと照らし合わせて聴けるように。

どの曲もそうですが、誰が歌ってるとか、作ったのが誰だとか、そういうの関係なくみんなが愛してくれて、曲が一人歩きするような曲作りを心がけています。

このプラネタリウムという曲はまさにリスナーに育ててほしい曲なんです。



↓プラネタリウム




今回、本当にたくさん方にオーロラタクトのCDやDVDを買っていただけました。

アカレコという作品、そして共演者のみんなに改めて感謝です。

そしてそして、見に来てくれたお客さん一人一人。

当たり前だけどみなさんがいないとエンタメは成り立ちません。

どうか、好きな役者を、好きな劇団を、好きなアーティストを、悔いなく応援してほしいです。

本当に感謝しかありません。

また、逢う日まで。


今泉シュウ/森丘崇