ブログレクリエーション Vol.2 | Vocalist 森丘崇の“ROCKでバキューン!!”

ブログレクリエーション Vol.2

ブログレクリエーションとは・・・
リアルアーツ関連のアーティストがおのれの命を賭けてブログの内容で戦う、それはそれは迷惑なイベントである(笑)。

詳しくはコチラ↓
http://ameblo.jp/real117/




今回のテーマは、




「感動」。





感動させる話を書くとなると、自分の話をしなくちゃいけない。

プライベートに関わることなので、書くか迷ったけど、前の仕事の時の話をします。



かなり長いですが、一生懸命書いたので読んでください^^







新卒で名古屋が本社の広告代理店に就職。
名古屋・三重で求人広告の営業をしていました。
求人情報誌の広告枠を売る営業。


自慢じゃないけど、成績は優秀。
特に社会人2年目は頑張った。

同じくらいの売上目標の営業マンがグループ全体で150人くらいいて、総合ランキングではだいたいいつも10位以内。
ある期は2位になって優秀営業マン賞をもらった。
その年の新規取引先件数は、会社全体でトップだった。
取引社数は150社を越えていた。


・・・ちょっと自慢しました(^_^;)






そして営業3年目の時のこと。

当時、僕は1週間で平均160万円を売り上げていた。
毎週必ず大きな発注をくれるお得意様もいて、売り上げは安定していた。


そんな中、三重県にある小さなレストランバーのお客様がいた。

そのお客様は、3万円の発注を、年に数回だけくれるお客様。




要は、顧客ランク的には下の方。




ある日、広告の発注をもらい、締め切りギリギリまで電話で原稿修正のやりとりが続いた。
原稿にこだわる人だったので、最終OKがなかなかもらえなかった。





僕「●●さん、もうあと数分で締め切りなので、まずいです!締め切りをすぎると掲載できなくなります!」


先方「うーん、じゃあこれで行きましょう。」


僕「ありがとうございます!」



広告の原稿はコンピューターで管理されているため、締め切り時間は厳守しないと、本当に掲載できなくなる。
でもこの日は本当にギリギリだった。

締め切り5分前にOKがいただけた。

危なかった。




と、思ったら、



・・・電話。



先方「あー、ごめん、やっぱり別のほうの写真を使ってくれますか?」


僕「うーん・・・本当に時間がまずいので、ちょっと受けられないですね。。。」


先方「・・・そうですか。わかりました。」




仕方なかった。

対応していたら、締め切り時間に間に合わなかった。




その2時間後、再び電話が。




先方「締め切りお疲れ様です。少しは落ち着きましたか?」


僕「あ、はい。ありがとうございます。どうされましたか?」


先方「ちょっとお時間いいですか。」


僕「はい、大丈夫です。」


先方「ちょっと、今日の対応は無いと思います。ギリギリでも対応してほしかったし、言葉遣いも気に食わなかったし。」


僕「・・・えっ!」





固まった。


クレームだ。



確かに、締め切りギリギリで荒っぽい言葉遣いになっていたのかも知れない。

全然気づかなかった。

いや、向こうが単純にイライラしていたのかも知れない。

いまだにわからない。




先方「思えばこれまでの対応も気に入らないし、接し方もちょっと馴れ馴れしすぎると思います。
御社を使うのはもうこれで最後にしようかと思います。」



淡々と話す方で、感情の浮き沈みがわかりにくい方ではあった。
そしてちょっとひねくれたところがある方ではあったものの、そんな風に思っていたなんで全然知らなかった。

正直、馴れ馴れしく接したつもりは全くなかった。

だけど、先方はそう感じていた。



コミュニケーションは、自分が「こういうつもり」というのは関係ない。
相手がどう捉えるかがすべて。

そういう意味では甘かったんだろう。。。



そしてこの時期は景気がよく、仕事がたくさんあった。

だから、職を探している人が仕事を選べる状態で、今とは真逆。

求人を募集するお店・企業側が人手不足で、広告を出しても応募が1件もないことがザラにあった。



先方は、そういうことにも輪をかけてイライラしていたのかも知れない。


人は、イライラがたまると、ほんの少しのイライラで臨界点を越えて爆発することがある。

そのパターンだ。




僕「・・・すみません!これからすぐに謝りに行かせてください!謝罪したいです!」



すぐに直行して謝りにいくことが誠意だと思っていたし、会社としての教えもそうだった。

でも・・・



先方「いや、来てもらっても迷惑です。もう御社は使わないって決めたので。それに今日は金曜日で忙しいから。」


僕「そうですか・・・では来週の月曜日に行きます!謝らせてください!」


先方「いや、ですから、来てもらっても迷惑なので結構です。では失礼します。」


「・・・・。」





上司に相談した結果、月曜日に上司と一緒に謝りにいくことにした。




迎えた月曜日。




僕「・・・失礼します!」


先方「どうして来たんですか!迷惑だって言ったじゃないですか!」


僕「いえ。。。どうしても謝りたくて。。。」


上司「今回は大変すみませんでした。」


先方「しかも上司の方まで連れてきて!これは僕と森岡さん(僕の名字です)の問題でしょう!上司を連れてくれば解決するとでも思ったんですか!?」


僕「・・・いや、そういうわけではないんですが。。。」


先方「とにかく帰ってください!来るなと言ったのにアポなしで来るわ、上司連れてくるわ、もう二度と会いたくないです!」





最悪の展開。

良かれと思ったことが逆に火に油を注いでしまった。



これはもう、手段がない。。。

もう訪問することも、電話することもできない。。。




どうしよう。。。







はっ!と気がついた。





手紙だ!






落ち着いて書ける手紙なら、自分の気持ちが伝わるんじゃないか。



そう思って、本当に気持ちをこめて手紙を書いた。


言い訳は一切せず、ただただ謝罪の気持ちを綴った。


取引きを再開してほしいなんてことも書かず、本当に反省と謝罪の文章だけ。




翌日、そっとお店のポストに手紙を入れた。




これで反応がなかったら、諦めよう。。。





3日後






なんと事務所に返信の手紙が届いた。




ビックリした。





どんなことが書かれてあるか、怖くて開けなかった。


でも読むしかない。


心臓を震わせながら、手紙を読んだ。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

森岡さんへ。


お世話になります。
●●です。

お手紙、ありがとうございました。
しっかり中身を拝見しました。

本当に気持ちのこもった手紙で、正直、感動しました。
とても嬉しかったです。

今回の件は、確かに僕も言いすぎたと反省しています。
ただ、わかってほしかったことがあって、いろんな発言をしてしまいました。

この手紙を見たら、一度ご連絡ください。


本当にありがとうございました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





体が固まった。

嬉しかったのか、感激したのか、よくわからない。



でも、涙が出た。



一度失った信頼を回復することは本当に難しい。


いろんな思いをめぐらせて気持ちが伝わったことと、それを許してくれた先方に感謝して、泣けてきた。





すぐに電話して、翌日会うことに。



ようやく面と向かってちゃんと謝罪して、許してもらえた。

そして言われたことがむちゃくちゃ嬉しかった。





「森岡さんは本当に優秀です。ずっとウチの担当でいて下さいね。」









それから約半年後、僕は音楽を目指すことに決めて、三重県を離れることに。


後輩にお客さんを引きつぐアポイントの時に、先方は僕の後輩に言った。




「森岡さんみたいな優秀な営業マンの後はやりずらいと思います。
だって、御社に発注してたんじゃなく、森岡さんに発注してたんだから。」







クレームは信頼関係を深めるチャンスだということを、身をもって学んだ出来事だった。





自分への戒めとして、いただいた手紙はずっと取ってあります。



Vocalist・崇の“ROCKでバキューン!!”-20100916124619.jpg





感謝感謝です。







長い記事を読んでくれた、あなたに心から感謝!^^