とんちんツアーまだか!
天気予報では四月並の暖かさを記録し、段々暖かくなってくきますとテレビのお姉さんはにこやかに僕らに微笑みかけてくるとはいえ、日も落ちて真っ暗になると、やっぱりまだまだ寒いわけで。
そんな1月も中旬に差し掛かった今日、駅のホームで体の芯まで冷え込むような風に耐え、電車に乗ると
入ってすぐの席が開いていたのでとっとと着席。前に座っていた人の暖めたソファーの温さと、暖房にまったりとしてると、ふとすぐ側にいたお姉さんが僕を見ている、はて、何かしただろうか、目を合わせるとお姉さんは気まずそうにさっさと目を背けてしまった。キモメンだからっていってもそれはひどいよ。泣くよ。
ふと周りを見渡すと向かいに座っているおじさんも、文庫本読んでるおにいちゃんもチラチラ見てる。よく見たら親子連れまでこっち見てる。「ママー」「しっ見ちゃいけません!」うわーはじめて見たよ、しかもよりによって対象俺かよ。もう首釣るか、ああ、丁度いい具合に目の前につり革なんて便利な物が、でも首通るかな。最近顎に肉ついてきたからな。
と、絶望的思考をぐるぐると巡らせていると、なにやら香ばしい匂いが、しかも凄い近くで。夕方の腹減りの自分には、お腹のカエルが大合唱しそうな位に良い匂い、すばらしいスパイスの香り、スパイス・・・カレー・・
え?カレー?
隣を見ると、高校生二人が揃ってカレーヌードル食べてました。もちろんBIGタイプ。しかも旨そうにずるずると音を立てて。俺、電車の中でジャンプの切り抜きしてる兄ちゃんとか、ノートPCで大音量でMrインクレディブル見てるメリケンみたけど、電車の中でカレーヌードル食う高校生は初めて見たよ。よく見ると皆注目してるのはその高校生のようです。満員近い電車で汁物、しかも跳ねないように食うには難易度高いカレータイプを選択する高校生なんて、そりゃ珍しいですよ。うわっちょっと汁跳ねた。
少したつと食べ終わったらしく、彼らは会話を始めた。どうやら受験生のようで、勉強とか志望高について話している様子。話してる内容も、大学に入る前の自分達と同じような話で、少し懐かしい気分になってきました。電車でカレーヌードル食うようになっても、中身はそう変わらないんだなぁ。
「同じ会社で20年働くとか、考えられないな。今受験頑張れば面白い人生が待ってるはずだ!」
そう語る彼らの言葉の矛盾こそが、若さなのか。
彼らは下北沢で降りて言った。