腰痛を起こした時は安静が一番?
これまでは「腰痛が在るときはとにかく安静してください」と指示されることが多かったのですが、2012年2月4日のNHK番組「ここが聞きたい 名医にQ」という番組で腰痛が取り上げられ、次のような説明がありました。
腰痛になった場合、以前は「安静にすることがよい」とされてきましたが、最近では「動ける範囲で動いた方がよい」というのが腰痛改善の新常識となっています。
「新常識」などと、あたかも最近の知見のような表現ですが、このことはずっと以前から、様々な研究で示されていました。
これまでの様々な研究で安静にするのは治りが遅く、再発しやすい事を示しています。
【対象と方法】
急性腰痛患者186名を対象に、2日間の安静臥床群、ストレッチ群、耐えられる範囲内で日常生活を続ける群の3つに無作為に割り付け、その後の経過を追跡調査した【結果】
3週間後と12週間後のどの時点においても、もっとも回復が早かったのは日常生活群で、もっとも回復が遅かったのは安静臥床群。
(Malmivaara A et al.N Engl J Med. 1995)
このように椎間板ヘルニア=腰痛説を始め、腰痛に関する私たちの常識はどうやら間違っていたようです。
原因のとらえ方や対処法が間違っているのですから腰痛患者は増え続けているのです。
そして良い治療法があると聞けばどこへでも行き、そして裏切られ続けるという「痛みの放浪者」が後を絶ちません。
これは腰痛に限らず、膝の痛みや肩の痛みでも同様です。