ようやくももクロ主演映画『幕が上がる』を観た。
劇場公開時は行けなかったんだけど、BDを購入した。
平田オリザの原作小説は読んでいたので、だいたいどういうストーリーかは知っていたが、映画と小説は別物だし、映画レビューの点数が高いのが気になった。
そんなに良い作品なのか?
さてそんな不安を抱えて映画を観た感想は"普通"だった。
原作小説を読んでなければもっと楽しめただろうが、時々入るももクロ関連の小ネタが気になってしまって。
本広監督の悪癖がうるさく感じてしまい、感動が鈍くなった。
感動が鈍くなってしまった理由は、いくつかあって、まず演劇部の全国大会を目指す話なのに、そういう構成になってなかったこと。
映画の構成は、弱小演劇部が、有能な指導者と強豪校から来た転校生を仲間にして、全国大会を目指す。のはず。
ところが実際の映画では、最後の「全国大会を目指す」がまったくなかった。
つまり演劇大会で勝つために、どういう練習をして、どういう舞台を作るのがいいのか?という部分が無かったのだ。
原作小説では、審査員ウケする作品を一から作るのが難しいので、有名なお話を元にして戯曲を書いた方が良いとアドバイスを受けて、「銀河鉄道の夜」を戯曲化する。
さらに、短期間で俳優の上達は見込めないので、俳優のレベルに合わせたセリフを作っていくとか、短時間で見栄えのする舞台装置の仕込みとか、高校演劇大会が競技化している部分を描き出していた。
映画では、これらを何となく雰囲気の点描とセリフで済ませてしまった。
それから普通の学校生活が描かれなかった。
時間的制約の多い映画では仕方ないかも知れないが、これは描くべきだった。
原作小説も映画も、高校3年生の1年間が描かれている。
定期テスト、進路相談、夏休み、夏合宿、文化祭、大学の推薦入試など、有限の時間の中で、必死にがんばるから、勝負事に勝つこと、負けることに、感動があると思うのだが、そういう感じにはなってなかった。
あと、こういうバトルストーリーのカタルシスというのは、ダメダメだった奴らが、様々な困難を乗り越えて、お互いを信頼して一つのチームになり、勝利を得るところにあるのだが、映画は地区大会だけで終わってしまい、さらにその地区大会は原作通りで失敗だらけ。
カタルシスがなく欲求不満だった。
せめて県大会のシーンは入れて、みんなが最高のお芝居をして一位通過したという部分は描いて欲しかった。
有能な指導者を失っても、自分たちで勝利を手にする。
つまり、成長を描いて欲しかった。
その後のブロック大会は描かなくても、エンドタイトルの幕が上がるところで終わるので良いけど。
それから最後のクレジットで、ももクロのPVになるのだが、あれはDVD特典で良かった。
例えば、無人の部室に全国大会出場とかの賞状が飾ってあるとか、ブロック大会を勝った後の写真を見せるとか、余韻が欲しかった。
唐突に、冨士ヶ丘高校演劇部からスターダスト所属のももいろクローバーZのなっちゃうのは良くなかった。
最後に、ももクロの演技についてだが、まったく問題なかった。
だいたい原作のイメージと重なった。
中西さんはちょっと違ったけど、ウマイ具合にキャラクターを変えたので、違和感はなかった。
ユッコ役の玉井詩織とガルル役の高城れには特に上手かったと思う。
評論家の高評価やレビューの高得点など、期待値が高くなりすぎてしまったのかも知れないが、ももクロファンとして観た場合は最高だけど、普通の青春映画好きとした場合は2点かな?
だから映画の評価は「普通」。