ある意味『秋祭り』   | Happy-Gate

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半径5mのライフログです。

台風の影響で、不安定な空模様だった東京でも、午後からはだんだんと安定してきて、夕方には秋らしい空になった。
垂れ下がった稲穂の間を、少し冷気を含んだ風が通りすぎ、季節の移ろいを実感させた。
 
遠くで、笛と太鼓の音がしていた。
今日はこの町の秋祭りがあったのだ。
 
この祭りがあると、本格的に夏が終わった感じがして、寂しい気分になる。
 
今年の夏は、この近所の風物詩である花火大会とかが中止になって、夏という実感が持てなかったけど、最後に大きな「祭り」が待っていた。
 
都内の有名私立大学A学院に通うTくんとその仲間たちが主人公となった祭り。
 
発端はTくんがツイッターで、犯罪告白を繰り返していたことから始まった。
それがネットニュースで大きく取り上げられた。
 
Tくんはすぐさま問題のツイート削除し、自身のブログで謝罪文を掲載したのだが、それが誰に対し、何を謝罪した文であるのか分からない内容だったため、ネットが大騒ぎになった。
 
これを社会への挑戦と受け取った雄志たちは、すぐさま行動に入った。
 
いわゆる「祭り」がはじまったのだ。
 
彼らの活躍により、過去の停学や犯罪が暴露され、ついには自宅まで特定されてしまった。
さらに炎の勢いは、Tくんのまわりにも広がっていった。
 
Tくんとその友人たちが飲み屋で飲んでいる写真。喫煙している写真が発見され、アップされた。
その写真に写っていたのが、大物演歌歌手I.Hの次男だったことも判明。
Tくんを擁護するようなツイートをしていた女も、過去の恥部や個人情報があがって、一緒に血祭りに上げられた。
 
Tくんとその友人たちが、必死のネット工作をしている間にさらに勢いを増した炎は、彼が所属しているサークルの犯罪行為までも発覚させた。
サークル合宿の恒例の行事らしいが、バスの見送りのとき、公道で裸になって、死体のふりをしたりする動画が発見されてしまったのだ。
 
電凸によって、この事実は大学当局も知ることとなった。
大学側の対応が遅いことが、ネット掲示板ではいわれているが、関係者からの事情聴取をしたことが、発表されており、おいおいなんらかの処分が下るということであるが、祭りの勢いは止まる様子を見せない。
企業採用担当者も、この事実に注目して、A学院の学生の身体検査を始めたというから、かなり大事に発展しているようだ。
 
 
Tくんが嫌われ者で、ただのバカであることを、あえてここに書く必要はない。
ただボクが不思議に思ったのは、Tくんがなぜこんな犯罪をツイッターのような公の場所で告白したのか?
そして、その告白に世間が過剰反応したのか?
 
犯罪自慢は、ちょっとしたエクソダス願望で、多少は理解できる。
よくオッさんたちが、昔話として、自分がどれだけ無茶したかと、酒飲み話ですることはある。
だが、そういう話をするときの場は、ある種の共通前提がある仲間内であり、大抵の場合、みんながその内容を「ネタ」であると知っていたりする。
また本当に犯罪行為があったとしても、それなりの制裁を受けたという部分が「落ち」になっているものだ。
例を挙げて申し訳ないが、政治家だったハマコーさんは、前科2犯(?)であることをよく話している。
それ故に当選回数が多いのに、大臣になれなかったことを、落ちにしたネタだ。
ハマコーさんの過去の傷害事件告白を犯罪自慢と受け取る人はいないだろうが、その話はちゃんと逮捕、刑務所という制裁を受けた話なのだ。
 
犯罪自慢は、こういう社会的制裁=ミソギを済ましてある話でないと、ネタにならないのだ。
 
それなのにTくんは、わざわざ今現在の犯罪を告白している。
キセル行為は、立派な詐欺罪。
痴漢は、強制わいせつ罪。
言葉は平易だが実際の罪名は、かなり重い犯罪である。
交通違反のようなモノではないのだ。
当然だが、時効になっていないので、当局が立件しようと思えばできる。しないだろうが。
Tくんがそんな重罪を犯したという自覚無かったのかも知れないが、法は、知っていいようがそうでなかろうが、適用される無慈悲なモノなのだ。
もちろん情状酌量で罰の軽重はあるが。
当然、Tくんはこれらの罪状に、ミソギをしていない。
もしこの犯罪告白が反省が分かる形で、痴漢して捕まった話だったり、キセルして違約金を払わされた話だったら、ちゃんとしたネタになっただろう。
 
一方で、世間の反応も相当なモノで、度を超えているように感じる部分もあった。
たとえば自宅を特定し、その写真が公開されている。そこまではいいと思うが、車のナンバーまで公開しなくてもよかったのではないか?
Tくんの問題であって、家族は直接関係ないからだ。
もちろん、Tくんが未成年者だから、親権者にもそれなりの責任はあるだろうが、ちょっとやり過ぎ感はあった。
 
Tくんが不用意にちっぽけな自分の自尊心を保たせるために、むやみやたらと世間に喧嘩を売った事実はあるにしても、所詮、ただのガキではないか。
社会的にもまだ未成熟であり、いわゆる世間知らずなバカを、全力でたたきのめさずとも、半殺しで押さえられなかったのかと思ってしまう。
 
この祭りは当分続きそうだ。