知りませんでした。
高村さんは、自身の作品の中で、幾度も原子力の危険性について啓蒙してきたかた。
例えば、「神の火」では、原子力発電所の構造的欠陥を指摘し、「新リア王」では政治の道具にされた歴史について。
まずインタビューで「今回の事故は、"想定外"の事がおこったのではなく、想定しなければいけない事がそうていされていなかった」ことが問題だと、指摘。
それはつまり科学技術のモラルの問題である。
結局、何か危険を想定するときに、自分たちにとって都合のいい危機だけを想定して、それに対処する方策だけで満足しているだけだったと言うこと。
だから、いまこそ真摯に危険と向き合わなければならない。
さらに、政治と結びつけられた不幸があることも指摘されていた。
原子力政策が55年体制のたまものであり、原子力に賛成反対は、そのままイデオロギーの対立になってしまった。
本来、技術的なデータでリスクを考えなければならなかったのに、それは議論されず、理解もできないまま、今日の状況を作り出してしまった。
だからこそ、いま必要なことは、この無視され続けた客観的な科学的データであり、それに基づくリスクの評価をしなければならないって事。
高村先生はとても冷静に、技術的な問題で、日本には原発は無理であると結論づけていた。
もとの生活に戻るという選択肢は、永遠に失われたという認識を、日本に住む全ての人が持たないといけないと。