ふと頭の中でずっと同じメロディーが流れていた。
♪~ ずっと、ずっときみがかれを好きだったように
ずっと、ずっとあいつも、きみを愛していた
きみの幸せを あいつは祝えない
下手に好きだなんていってしまったらさ~ ♪
誰の曲か分からず、ずっと謎だったのだけど、それはKANの《けやき通りがいろづく頃》という曲だと、ついに判明した。ネット時代は、便利だとつくづく思う。
この曲は当時、誰かから借りたKANのCDアルバムの中に入っていた曲だ。
ぼくの中ではKANは《愛は勝つ》の人。
当時、あまりにメジャーだったのでスルーしたアーティストだった。
ちょっと一発屋ぽく感じられるが、今更、聞き返してみると、何とも耳なじみのある曲が多かった。
あまりに素直なメロディーメーカーだったため、KANっていうアーティストの名前が残らなかったのだろうか?
その中で、特に《けやき通りがいろづく頃》だ。
当時、中学生になりたてのぼくには、その詩の世界がよく分からなかった。
人称が、《ぼく》《きみ》《あいつ》《かれ》と複雑に入り乱れる。
いま歌詞カードを読み返すと、これは失恋の歌なんだ分かる。しかし、メロディが明るくポップなのでそういう印象がなかった。
歌詞を表層的に読むと、
友達(あいつ)が、女の子(きみ)に告白したんだけど、女の子(きみ)は既に彼氏(かれ)がいた。
その事実を初めて聞かされて驚く主人公(ぼく)。
しかも同棲するらしい。
恐らく友達(あいつ)の告白の答えを、主人公(ぼく)が聞くハメになってしまった。
友達(あいつ)と女の子(きみ)の心の距離が離れていくように、主人公(ぼく)と女の子(きみ)との距離も感じてしまう。
そして、主人公(ぼく)は女の子(きみ)と同じように好きな人に告白する決心をする。
という感じ。
でも、最後のフレーズが、中学生のぼくにはよく分からなかった。
♪~とにかくあいつを 忘れないでいてあげてよ~♪
「よかったね」から始まった歌は、同棲を始める女の子と、失恋した友人の板挟みなった主人公の物語のはず。
歌の中で、さんざん女の子の味方のように語ってたのに、なんで振った男がいたことを忘れるなになるんだろう?
そして、サビの部分
♪~ ずっと、ずっときみがかれを好きだったように
ずっと、ずっとあいつも、きみを愛していた
きみの幸せを あいつは祝えない
下手に好きだなんていってしまったらさ~ ♪
がリフレインしていたのだ。
いまの年になって、歌詞を読み返すと、
つまりこれは、主人公も、女の子(きみ)が好きだったってこと。
だから、主人公も、女の子(きみ)の幸せを祝えないから、最後に、ちくっと、
「でも、おまえは、あいつを振ったんだからね」
とやったわけだ。
それにしても、そのほかのKANの曲を聞き返してみると、メロディアスで、叙情的で、とても聞きやすいPOPな曲が多い。
もうちょっとヒットしても良いのに。