ママ、キレナイで | Happy-Gate

Happy-Gate

半径5mのライフログです。

 びっくりしたよ。
 いつもは冷血な魔女みたいな母親が、烈火のごとく切れた!

 暑さのせいですかね・・・。

 母親と買い物に出かけるとき、出かけにごみを捨てておこうと、ゴミ捨て場によっていった。
 車をゴミ捨て場に寄せて、母は、トランクに入れたゴミを捨てていた。

 すると、突然、母親の怒号が!

 車を降りて、ゴミ捨て場に行くと、知らないジジイと口論をしている。

 どうやら他の地域から捨てに来た人間だと思われたらしい。
 私の住んでいる地域では、いつでもゴミを出せるので、他の地域から、ゴミを捨て来る不埒者が
いるのは確かだ。
 それにしても、切れ方が尋常じゃない。

「あんた、失礼でしょ!」

母の怒号が響く。

ジジイは、相手がオバハンだけだと思ったのか、居丈高な態度をとっていた。
勝手にゴミを捨てるなと、行ってきたらしい。

ところが、ここの住人だとわかると、今度はゴミの量が多いとイチャモンをつけてきたのだ。
その態度に、完全に頭に血が上ってしまった母が、尋常じゃないくらいの声で怒鳴っているのだ。
倒れられても困るので、ワタシは慌てて加勢した。

母の代わりに、ワタシが相手を威嚇することに。まさに親子の阿吽の呼吸というやつだ。

「オラァ、ジジイ。テメェ、なめんてんじゃねぇぞ!!オマエ、どこのもんだ!」
突然、自分より体格の大きい若い男に睨み付けながらにじり寄ってこられ、ジジイは後ずさりした。
「そ、そこに住んでいるもんだ」
言葉こそ、何とか出せたが、完全にビビッている。
「そこだと!?じゃ、このゴミ捨て場と、関係ねぇじゃないか?ぁあッ?何の権利があって、
イチャモンつけてるんだぁ!」
ワタシは、かつて応援団として活躍した大声で、威嚇して、さらにいつでも攻撃できるようにした。
ジジイが何か言おうとしたが、それを制して、さらに怒鳴った。
「ここはうちの自治会が管理してるんだよ。隣の自治会のオマエに、何の権利があるんだ?」
「・・・あの、ワタシは、前の自治会長で・・・」
「それがどうした!何の関係がある。大体、ここへ引っ越してきて20年以上だが、
お前のことなんか知らねぇよ。ここへ来てからの自治会長は、オマエじゃないだろ!
 うちは、決められたルールにのっとって、ゴミを捨てている。これはオレらの権利だ。正当な権利だ。」
「・・・」
こちらの気迫についに言葉が出なくなった。
「オマエ。名前は。とにかく、詫びを入れろや。謝れや、コラァ」
ジジイは、名前を言って、「ごめんなさい」とこちらをなだめすかそうとした。
その態度に、今度は私が切れた。
「おい、ボケ。それがいい歳こいた男の誤り方か?土下座しろ!!誠意を見せろ!!」
ジジイの鼓膜が破けるくらいの近さで、怒鳴りつけた。さすがに、土下座はないなとおもいながら、
口からでまかせだった。なめられてはいけない。相手に恐怖心を植え付けるのだ。
たとえ近所の人間でも、非常識な人間に正義の鉄槌を下す必要があるのだ!
ジジイは、ビクンとなり、後ずさった。完全に逃げに入った。
「だから、謝ってるじゃないですか」
「当たり前でしょ!非常識だよ!アンタ!」
再び母が怒鳴った。
「今度、なめたまねをうち等の自治会の人間にしたら、ただじゃおかねぇからな。ボケ」
「はい、すいません」
その場を逃げ出したジジイの背中を見送りながら、ちょっとやりすぎたかなと思った。
車にビデオカメラがあったのに、それを使うことを忘れていたことを後悔した。
一息ついてから車に乗り込んで、母に聞いた。
「どうしたの?あんなに切れるなんて、めずらしいじゃない」
珍しいというより、初めてだった。母親が声を荒げるシーンは一度も見たことがなかった。
不機嫌になることはあったが、外の人間に対して、あんな態度をとることはなかった。
元銀行員ということもあり、たいていのことも「いなして」しまうから。
「あのジジイ、いきなり『オイ、オマエ!』なんて、怒鳴りつけてきたのよ。だから、
思わず怒鳴り返しちゃった」
ジジイにとっては、とんだ災難だ。
自分は正しいことをしようとしたのに、完全に悪者になってしまったのだから。
このジジイのミスは相手を確認しないで、いきなり攻撃してしまったことだ。
ジジイが勘違いしてしまったのは、うちの乗っている車が、会社の車で、品川ナンバーだったこともある。このように、車だけでは、中の人間まではわからないのだ。

たとえば、「すみませんが、こちらにお住まいの方ですか?」などと、下手に出ていれば、あんな
恥をかくこともなかった。
若造に、「ボケ」呼ばわりもされなかったし、暴力の恐怖にさらされることもなかったし、屈辱を
味わうこともなかったのだ。

それにしても、20年以上も、この場所に暮らしていて、自治会の役員もやっていたうちの母なのに、
顔も覚えてもらえてなかったなんて・・・。

現代って、寂しいなぁ。