あだち充のヒット作『タッチ』の実写版。過去にアニメとして何本か作られ、ブームにもなった。
さて、本作は原作とは違って、ヒロインの浅倉南をメインにストーリーは描かれている。
基本的なストーリーは、原作を通りだが、若干、時代的なモノを含めて変えてある。原作とは絶妙な『間』というか空気感が違っている。
原作では、直接的に登場人物の内面や肝心なシーンは全く描かれず、コマの余白やトーンで表現していたが、実写版ではわかりやすく表現されていた。
どうやらこの作品は、和也の死を周りの人間はどうやって乗り越えていくのか?というところが、テーマになっており、野球や恋愛については、あっさりとしている。
原作では、肝になっているライバル新田との関係も薄いままで、2時間の映画ではしょうがないかと思っている。
南のキャラも、文武両道で、学園のアイドルという描き方はされていない。
野球部を辞めるのも、原作では新体操との二足のわらじができなくなったからだったのが、特に理由らしい理由も描かれてない。これは南を演じる長澤まさみの事務所サイドからの要望かな?レオタード姿はNGってこと。
物語後半、球場へ駆けていくシーンで、胸がユサユサと揺れているだけでも、監督にクレームが入ったとか言うので、仕方ないかな。
話は戻って、実写版では、原作が描いていない和也の交通事故のシーンが描かれている。
これは原作を知らない人にはわかりやすく、知っている人でも新鮮に感じられるようにという、計算かな?
ラスト近く、助けた子供の親がやってきて、仏壇に手を合わせるシーンが入ることで、物語に説得力を与えていた。
個人的に気に入ったのは、キャスティング。達也たちの父役の小日向さんと達也の親友原田役のRIKIYAは、原作の雰囲気があってよかった。違和感なかった。
一方でアニメとのリンクもあって、和也の死後、霊安室のシーンと、南が泣くシーンは、構図までそっくりだった。ラストシーンもそう言う意味では一緒かな?
アニメ版タッチの主題歌がかかるところでは、ちょっと燃えた。
とは言っても、やっぱアイドル映画かな?自分の地元が舞台じゃなければ、観ようとは思わなかったし、犬童一心の映画にしては、かなりオーソドックスな作りになっていたし。
ストーリーは有名で、今更、驚くところはないし、2枚目の顔の双子の役者と、かわいい女の子がいれば成立するような話なので、長澤まさみファンか、『タッチ』のファンでも無い限り、観る価値はないかな?
私はアニメの方の『タッチ』のファンなので、十分楽しめました。