ローレライが興行の大台を突破したらしい。
新人監督の映画としては、快挙だよ。
でも、どうなの?
私は2回も観たけど、なんかザンネンな感想だった。
ツマラナイ駄作だと、切り捨てるには、惜しいけど、
手放しで傑作とほめるには、ほど遠い。
言い換えると、面白くも、つまんなくもない作品。
確かに実写作品、特撮映画としては、よくできていたクチだけど、
しかし、画面の構成やストーリー展開は、今まで樋口監督が
関わったアニメや特撮映画のいつもの感じだった。
つまり、古くからのファンとしては、なんの驚きもなかったのだ。
見慣れた画面構成。CGだって、大きなくくりで言えばアニメであり、
しかも戦闘シーンのコンテは庵野秀明。庵野、樋口、潜水艦といえば、
NHKアニメとしては異例のブレイクをしたガイナックスの初期作品である
ナディアがある。伊507が時々ノーチラス号に見えるんだよね。
で、ナディアがヤマトのパクリであることは、制作者が認めている事実。
艦長が、ひげを生やしていれば、そのものだったのにね。
清永の死ぬシーンは、何というかナディアの最終回で、ジャンが死ぬシーンを
彷彿とさせる。つまり、話の流れとは関係しない唐突な死。
誰かが言っていたけど、例えば、あのシーン。木崎先任将校のように、
爆雷によりN式が交通塔に引っかかってしまい、清永が捨て身で、直すと言うような
感じなら、盛り上がったんだけど。
木崎のシーンだって、ナディアでやってたよね。元ネタはヤマト?
あの世代って、平気で先輩の作品群をパクルくせに、こういう情緒や熱血シーンを
自分がつくるときになると、照れてるんだよね。
監督が照れてる。
樋口監督に言いたいよ。照れるなよ!
フジとしては、ジャパニメーションと言われる世界でも先端に位置する映像カルチャーを、
樋口監督を通じて、導入して、先鋭的娯楽を目指したつもりなのだろうけど、
樋口監督はそう言う意味では手堅い作りをして、あえて、冒険しなかった。逃げの演出が目立った。
オーソドックスなアニメ的な演出になれた人が見ると、私のように、
普通の映画という感じになるでしょうね。
で、原作にも触れてみたいんだけど。
原作は福井晴敏の『終戦のローレライ』。前作の『亡国のイージス』を読んだ樋口監督が、
映画用に共同でつくったプロットを元に書かれた小説。
そう言う意味では、映画の原作とは云えないかも。
小説では、SF的設定にリアリティを出す為に、少女が超能力を持つに至る経緯が丁寧に描かれ、
同情や憤怒などの感情のうねりが、とても自然に読者に訴えられている。
反乱兵らの考えや、信条も、思想劇にならず、地に足が着いた形で、丁寧に書かれている。
浪花節的な要素で出来ているので、登場人物の行動を感情的に許せるし、応援したくなる。
戦争がテーマであるので、敵である米軍が徹底的に悪い奴らと描かれているのもいい。
素直に戦っていることが理解できる。
映画の話に戻って。
結局、この映画は、フジの映画のカタログなのだろう。
こういうのも出来ると、見せているに過ぎない。
次回作に期待したいね。