大人になれば
自動的に字が綺麗に書けるように
なるんだと思ってた。


大人って
もっとすごいと思ってた。


親って
もっと絶対的なものだと思ってた。


姉は
もっと近くにいると思ってた。




いつの間にか
親の身長よりも自分の身長が高くなって

一時的な家出程度の気持ちで
実家の近くにひとり暮らしをして

実家に帰ってきたら


いつの間にか親は
生前整理のようなことをしていて

相続とか手続きを準備していて




いつの間にか

いつの間にか
周りだけが変わって行ってしまう。


わたしだけが
いつまでも変わらないまま。





高校を卒業して
しばらくしてから母校に訪れたときに
言われたひとこと。



「〇〇(わたし)は変わらないねえ」



髪を染めていない、とか
化粧をしていない、とか
体型が変わっていない、とか

おそらく見た目のことを
言われたんだと思うけど

その言葉は
グサリと私に刺さった。




わたしは変わらない

わたしだけが、いつまでも変わらない。




季節も
親も
姉も
住むところも
着るものも
好みも
風景が全部全部変わっていくのに



わたしだけが
いつまでもこどものまま。



こどものときに見ていた目線のまま
今も生きている。




置いていかないで。



子供を産むか産まないかで
ここ最近悩んでいて
あれでもないこれでもないと
自分の本音を拾おうと
余計にぐちゃぐちゃしてきたところ、


出てきた言葉。



置いていかないで。

私だけを見て。





なんで、そんなこと
今更言うんだろう。


どれだけ自分に嘘をついて
周りにいい子ちゃんであることを
アピールしてきたんだろう。




置いていかないで。

私だけを見て。




30代って
もっと大人だと思ってた。


自分で生活はもちろんしていけて
贅沢も出来る

自分のことを愛してくれる
素敵なパートナーがいて

親や職場の人、友達など
周りの人と楽しそうに
毎日を過ごしている

仕事もバリバリして
毎日が充実していて
なんの悩みも無さそうに思えた、

その理想像から
あまりにもかけ離れている。




実際は
毎日ヒマで友達はいなくて
つい数年前まで親と喧嘩してて
自分の親は毒親なんじゃないか、
なら自分の今後の人生はハードモードだ、なんて
お先真っ暗な気持ちで鬱々と過ごしてて

仕事よりも自由に出来る時間の方が欲しいからと
正社員は避けてパートばかり選んで
もちろん給料は低くて
だからといって選んだパートナーも
低所得で

男性経験が今のパートナーひとりのみで
他にも遊びたいのに
どうすればいいか分かんないし
今のパートナーと別れるのも怖い

なんて臆病者で
情けない人間なんだ。


こんなの大人って言えない。


年齢の数字だけ見れば
立派な大人なんだけど

中身は全く変わっていない
小学生以下。


純粋な小学生の方が
はるかに賢いくらい
わたしは子供以下。



自己卑下が止まらない
そのくせ何もしようとはしない



助けて