ある利用者さんが言いました
「年を取ってからゆっくりやろうと思ったって何にも出来なくなってしまう」
木目込み人形や、ステンドグラスを創作したり
色々な趣味を楽しんでこられた方でしたが・・・
「やりたい事があったら、すぐにやっときよ」
ホットタオルで利用者さんの足を拭くわたしの頭の上で
しみじみとおっしゃいます
もう7〜8年ぐらい前のことになるでしょうか
その利用者さんの元へうかがっていたのは・・・
“やりたい事があったら、すぐにやれ“
という言葉は、それこそ、そこかしこで聞きます
テレビや本や物語の中で耳に入りすぎて
わたしの中では「また言ってるよ」と右から左へスルーしてしまうぐらいの言葉でした
実際もっと若かったら
この時のこの言葉も「またか」とスルーしていたと思います
しかし、この時
この利用者さんがわたしの頭の上でしみじみと
わたしにかけた言葉は
なぜか腑に落ちるような、納得のいくような言葉として
心に沁み込みました
家中にあるこの方の作品や
いつも笑顔で可愛らしい人柄であったりが
そうさせたのかもしれません
そしてやはり、その方の年齢、体の状態など
身を持って示してくれていることに
その言葉の紛れもない真実を目の当たりにしたのでした
もう担当も外れ、わたしの異動もあり
その利用者さんが今どうされているのかは分かりません
けれど
「やりたい事があったら、すぐやっときよ」
という言葉は
わたしのこれから、を考える上で
重要な指針となっています