コールマン 538-700 GI ポケットストーブ 修理 (M-1950) | trides-point-autoworks トライズポイント オートワークス    ☆ローバーミニ・欧州車・旧車 整備 アウトドア☆

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こんにちは、トライズポイントオートワークスです。

 

 今日は、アメリカ Coleman社製 モデル538-700(M-1950)GI ポケットストーブ(シングルバーナー) 修理のご紹介です。

 1970年代製の、ホワイトガソリンを燃料とするGIストーブです。

 

 先日、「当店のブログを見た」というお客様から、「M-1950系ストーブの修理をやってもらえないか?」というお問い合わせをいただきました。

もちろん「承ります」とお答えし、「見積もりや詳細はストーブを拝見してから」とのご了承をいただき、お預かりすることになりました。

 なんと、この客様は静岡県にお住まいで、当店の所在する群馬県までストーブを持ってご来店下さるとの事。

当日、片道4時間以上をかけて高速をひた走りご来店くださいました。

「大学時代に買った愛着のあるこのストーブを何とか直して使い続けたい」とのお話に感動いたしました。

遠距離をお時間をかけてご来店下さるお客様に、快くストーブを使っていただきたい思いを抱え、早速取り掛かります。

 

 故障の症状は、使用後にバルブを閉じて消火した後、冷却を待っているとジェネレーターのノズルからガソリンが噴き出す、との事でした。

 

 ひとまずは症状を確認します。

消火後しばらく様子を見ていると、結構な勢いでピューっとガソリンが出て来ます。(赤い丸の部分)

引火性の高いガソリンですので、これは怖いです。

タンクの圧を抜けば多少は出なくなりますが、消火直後に熱くなったフューエルキャップを開けるのは避けたいところです。

 

 整備の手始めとして各部を分解していきますが、初めからいきなりつまづきます。

フレームをタンク上部に固定しているマイナス頭のネジ3本が固着していて外れません。

タンクにダメージを与えないようにヒートガンで加熱しながら浸透性潤滑剤を加え、ねじをナメないように回していきます。

1時間ほどかかりましたが3本のねじを外すことができました。

 

 更に、バナー部分、プレヒートカップ、ジェネレーター、バルブボディ―と分解していったところで、またしてもつまづきます。

タンクにねじ込まれているバルブボディ―をタンクから外したいのですが、ここも固着していて外れません。

今回の修理は、バルブボディ―の中にある燃料供給を停止するバルブを直すのが一番の目的です。バルブボディ―が外れない事には先に進みません。

 

 またしても、ヒートガンと浸透性潤滑剤のお世話になります。

少々手間取りましたが、すべてを分解することができました。

 

 こちらの写真は、すべての部品をカーボン除去剤でカーボンを取り除いた後に撮影しました。

タンク内の洗浄はもとより、フレームやバーナーなど、細部にわたり洗浄を行い、点検致します。

 

 

 今回の症状は、タンク内に位置する、写真のフューエルストップバルブのゴムが劣化で硬くなってしまい、完全にガソリンの噴射を止めることができなくなってしまったために起こった故障です。

拡大写真のドーナツ状のゴムがカチカチに硬くなってしまっていました。

 

 このようにセットされ、拡大写真中央のリング状の出っ張りにスプリングの力でゴムが当たり、ガソリンが止められます。

 

 また、今回ご依頼頂いたストーブのように、ある程度使用期間が長くなった製品は、ジェネレーターの劣化も心配されます。

やはり、ジェネレーターもカーボンが溜まっていました。

 

 ジェネレーターを分解し直そうと試みましたが、写真の(洗浄後の写真です)金網のカーボンを完全に除去することができないため、まずは金網だけを新品に交換し、点火試験を行います。

点火をしてみたところ、バーナーから勢いよく上がる炎が赤くなってしまいます。

ジェネレーター先端のガソリンを噴射するノズルの小さな穴が使用により徐々に拡大し、空燃比が理想値よりもズレてしまっているようです。

ジェネレーターは、すべて交換する必要があります。

 

 ここまで診断が進めば、お客様に連絡を取り、状況説明後、見積もりもお出しすることができます。

お客様には、部品交換をご了承いただき修理を開始することになりました。

 

 フューエルストップバルブのゴムを交換し、ジェネレーターも手持ちの新品(Colemanではすでに廃番品となっています)に交換します。

 

 バルブボディ―をタンクに取り付ける際には、耐ガソリン性/耐熱性の液体パッキンを使います。

 

 

 ポンプの革製カップは当店オリジナル品に交換しました。

 

 全てを慎重に組み立て、点火試験を行います。

燃焼の勢い良い轟音とともに、ブルーの炎が安定しています。

 

 消火後には、ノズルの先から燃料が噴射しないことを確認し、修理完了と致します。

 

 脚や五徳がたためるためコンパクトになり、専用キャリングケースにすっぽりと収まります。

 

 これで、お客様には気持ちよくご使用いただける事と思います。静岡県のH様、この度はありがとうございました。

 

 

 当店では、自動車整備以外にもランタンとストーブの販売や点検修理も承っております。お気軽にご相談ください。

 

 当店URL:http://tr-p-a.com/index.html

 

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