三つ子のキャットシットワンの超高金利書評録-03437644.JPG

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内容説明

「幻の選択肢」を見ると近代史がこんなによくわかる。歴史は「if」で語れ! 日清戦争で北京を攻略していたら、真珠湾を攻撃していなかったらなど、見逃せない「たら」「れば」が満載。原典もわかる史料集つき。

三つ子的評価 ☆☆☆+☆×0.5(☆3.5コ)

【書評】やり過ぎ注意

本書の内容は元陸上自衛隊陸将補の著者が 日本の近現代史に「if」を投げ掛ける内容になっている
本書を読んで思ったのは「やり過ぎ注意」という事

例えば日清戦争
日本軍は朝鮮半島及び大連一体を制圧したワケだが、あのまま北京まで軍を進めていたらどうなっていただろうか?
清側は北京を捨てるだろう(実例がある)
そうすれば戦争の交渉チャンネル(つまり交渉相手)がいなくなり戦争は泥沼化、その隙に欧米列強が介入し 戦争の収拾が着かなくなる危険性がかなりあった。
何故なら当時の中国は欧米列強の半植民地(あるいはその1歩手前)状態
みんなが食い物にしようとしていたから 一旦手をだすと我も我も、となる可能性が極めて高かった
日清戦争がそうならなかったのは 朝鮮や南満州みたいな「辺境」での戦争であったからに外ならない
皮肉な話だが、この懸念は後の日中戦争で証明されることになる
満州事変で日本がろくに欧米列強から制裁を受けなかった最大の理由が満州が欧米の権益外のド辺境に外ならないワケだが、上海事変辺りになると 話しは大分変わってくる。
上海といえば大都市であり 当時の対欧米貿易・投資の中心地でもあった
そこへ土足で踏み込まれたワケだから当然欧米は腹を立てる訳だ。

つまり日本の対中政策は、欧米との利害が衝突しない満州まで に我慢すべきであった訳やね
その辺の損得感情が出来たのが明治政府
出来なかったのが一部の昭和陸軍不平分子

さらに言えば、明治政府の外交政策は政府中心であったのに昭和期には一部軍部に引っ張られる形になってしまった事が取り留めのない拡張主義と欧米との対立を招いてしまったといえる。

では欧米と関係改善をするチャンスはあったのだろうかといえばあった。
第一次世界大戦で日本が欧州へ派兵する事であった
史実では輸送力の不足により断念しているが もし欧州派兵が成功しといたらどうなっていただろうか?
1つはイギリスの支持を獲得できた事
史実での日英同盟破棄の裏側には日本が欧州派兵をせず アジアでの利権拡大に走ったことのイギリス側の不信感があった
ソレが無くなるのは大きい
2つめにはアメリカの欧州参戦を抑える事が出来た
アメリカが欧州へ派兵したのは約20コ師団 これを日本が肩代わりすればアメリカが欧州へ派兵する分を減らせる
つまりその分日本への感情が良くなるわけやね。

こうして書いていると佐藤大輔のパシフィックストームを連想するが、とにかくポイントはいかに軍部の暴走を抑えるか、に尽きると思う。