超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンの間-03422884.JPG

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ミツゴ評価 ☆☆☆☆☆

【書評】ぶっ飛び経営者列伝

高速バスなう
一気に読み終えたなう
うん、面白い、企業は人 と言うが調った財務諸表を作るのは調っているとは限らない経営者だったりする。
本書の趣旨は"デフレ時代の経営者と企業の通信簿"と言った所、なにも「柳井や安部修二(吉野家社長)のせいでデフレになった」「御手洗のせいで労働者がしんどくなった」なんて内容ではない

何と言うか ザイテンなんかと同じ匂いがするな、私のような紳士(という名の変態)は東洋経済や日経ビジネス派なんだが、面白い

何が面白いか?人間ドラマが面白い、是非オススメ

なんか書くか
1)サントリーのお話
サントリーといえば 以前 キリンとの合併話が話題になった
私は「アジア進出の体力作りの為、カラーの違い(と佐治会長の株式問題)で断念した」と簡単にしか知らなかったが、実は結構ウラがあったりした。
もし、キリンとサントリーの株式交換比率が2:1となれば、サントリー株式の9割を牛耳る佐治信忠氏(寿不動産)が合弁企業の3分の1を牛耳る形になる
会社法上、会社の重要事項(増資や定款変更)には株主の3分の2以上の同意が必要な訳だから、佐治氏が株の3分の1保有すれば 事実上サントリーがキリンをコントロールできる形になる
これに待ったをかけたのが 金曜会の長老達である
実はキリンは金曜会の1員、アノ三菱一味の馴れ合い団体(!)だ
1言でいえば、エリート意識の高い金曜会の長老とキリン現場組が カラーの違いすぎるサントリーによる(事実上の)乗っ取りに"ノー"を突き付けた形になる


2)日産の話
カルロスゴーンの立場は複雑だ
日産はルノーの支配下にあり ルノーの筆頭株主はエリゼ宮だ
そして 規模と収益は ルノー<日産 であり、ルノーははっきりいって青息吐息だ(いわゆる資本のねじれ)
エリゼ宮としてはルノーが赤字になるのはマズい、故に有能な日産はルノーへ多額の配当を支払わなければならない
結果、日産は研究開発費に不自由する形になる。
ルノーから派遣された日産のトップ、カルロスゴーンは 現状をどう思うのだろうか?
リーマンショック後の日産の経営を助けたのは中国だったりする。
日産の販売網が(相対的に貧しいが、その分金融危機の被害が軽微な)内陸部に重点をおいていた事と 中国合弁企業の出資比率が51%であった事が大きい
だが コレは僥倖、所謂"棚ぼた"であるのも事実
だから 日産としても何時までも僥倖には頼れないから 新たなビジョンを考えなければならない
それが電気自動車だったりする
その為のデファクトスタンダード争奪戦に既に動いている。

3)ソフトバンク
まぁ どうせ孫正義の経歴については沢山本があるんでそちらを見てくれたらいい
孫氏のポイントは常にバクチ人生であった点だ。
ADSL事業を始めた時、派手にモデムをばらまいたのは有名だが 実はADSL事業は慢性的な赤字だったりする
派手な宣伝広告費が原因なんだが、彼としてみれば とにかくネット普及の初動段階でのシェアのドミナント(覇権)を握ってしまえば、後から十分回収できるという計算があった。
事実 後々黒字化したんだが、タイミング悪くNTTが光ファイバー事業に乗り出した訳だ
光ファイバーが普及すれば銅線によるADSL事業は陳腐化する事は目に見えている(事実そうなった)
新たなコアコンピタンスを作らなければならない、ソレが携帯電話事業だったりする
要するに泥縄だ
この辺のいきさつは省くが、ボーダフォンがちょうど売りに出ていたので買収した その額2兆円
当初は1兆円を見越していたが、要は吹っ掛けられた訳だ
この莫大な額を ソフトバンクは社債で集める訳だが 一時はまずかった、なにしろ社債のCDSが900bp、武富士やJAL並だ
まぁソレでもうまくいった(行っている)訳だが、今回の震災で"繋がりにくい"との問題が出た
コレは急拡大した事業にインフラが追い付いていない事の表れだったりする。
そして出て来るのは"電力事業への参入"だ、ぶっちゃけ自然エネルギー云々は口実に過ぎない
孫氏の狙いは、電力会社に賠償金捻出の為 送電インフラを手放させる事
ソレをソフトバンクが取得し 一気に諸々のインフラを構築する事
メガソーラー構想も地方首長の支持を買うためとか


まとめ とにかく面白い、オススメ