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ミツゴ評価 ☆☆☆☆+☆×0.5(☆4.5コ)
<書評>ワインの影には歴史あり
一応 ホンモノのシャトーマルゴー
本書は 外交を彩るワインにスポットを当てた本である
ただ ワインというより晩餐 全体を対象としている
人をもてなすのは大変だ、相手の立場や時期 環境 懐事情 もてなしの性格等様々な要素が絡んでくる
例えばイスラム圏の人ならアルコールと豚肉はダメだし、肉類も教儀に乗っ取った処理をした物(ハラル)が望まれる
逆にいえば 晩餐を見れば それらが透けて見えるのでは?というのが本書のコンセプトではなかろうか
ワインには歴史があり、背景があり、性格がある
例えば、04年にEUが25ヶ国体制になった式典がアイルランドで開かれた
この時の晩餐会に出たワインは ボルドーのシャトー・ランシュ・バージュ
実はこのワインを作ったのはフランスに移民したアイルランド人の貴族 ジョン・リンチ(=ランシュ:仏読み)
つまり アイルランドは自国と欧州の歴史的な繋がりをアピールしたわけだ
また韓国の話
05年6月 歴史認識問題等で日韓関係が拗れた時 当時のノムヒョン大統領が 小泉首相との晩餐会を「きょうの夕食は軽めにする」と発言
一般に儒教圏のもてなしは相手が食べ切れない程の食事をだすのが礼儀とする
それを「軽め」という事は「歓迎しない」といっているに等しい
要は韓国側は小泉首相を邪険に扱ったわけだ
さて 中国ネタ
中国が諸外国へ行くと必ず抗議が起きる
主にチベット問題や人権、貿易摩擦等だ
当然中国としてはそんな様子がテレビを通じて流れるのは困る
だからホスト国には「デモをするな」「デモを排除しろ」なんて要求をする
つまり受入側としたら中国はクレーマーに等しい訳だ
そんな中国だから食にもこだわる
中国が受け入れる際は 主に中華料理が目立つ、飲み物は中国産ワイン(実は中国は世界第6位のワイン生産国)か白酒、特に茅台酒だ
料理は基本としては「四菜一湯」スープ1品に料理4品だ
面白いのは98年 日本共産党と中国共産党の和解の晩餐会だ
かつて中国とソ連が対立した時、日本共産党はソ連支持であった為 中国共産党と仲が悪かった
それを修復したのが98年の不破委員長の中国来訪なのだがその時のメニューが
・海の幸の前菜
・四種類の野菜の取り合わせ
・イカの卵巣スープ
・フカヒレ姿煮
・ニンニク風味の大正海老
・肉団子煮込み
・鶏とその肉汁を和えた中国菜
ユリ根のフルーツポンチ
お菓子
果実
と「六菜一湯」だ
因みに安部首相の時は
前菜
・ツバメの巣のスープ
・伊勢海老のニンニク炒め
・松茸の野菜炒め
・牛アキレス腱の醤油煮込み
クルミ入り焼きパイ
お菓子
果実
と「三菜一湯」
98年当時は日米安保に絡み ガイドライン等 中国の日本への注目が高まっていた時期
そんな中 日本共産党の対日戦略的な価値の高まりを示しているように見える話
